インバウンドニュース
★訪日客の北海道内移動実態を分析 ドライブ観光が地方誘致に一役買う
2018.04.09
北海道ドライブ観光促進社会実験協議会(事務局:国土交通省北海道開発局)は、北海道内をレンタカーなどで周遊する外国人観光客を対象に、北海道ドライブ観光促進社会実験を行い、その結果を発表した。
この実験は、地域や季節によって生じている旅行需要の偏在を緩和することを目的に行われた。昨年9月~11月の3か月でスマートフォンのアプリ「Drive Hokkaido!」を利用した1211人の外国人観光客に対して、地方の魅力的な観光資源や割引情報等を発信するとともに、ドライブ観光客の移動経路や立ち寄った場所を分析。なお、分析データは、スマートフォン利用者のGPS移動記録に基づいている。
アプリを利用した1211人の外国人観光客の割合を地域別でみると、香港(22.7%)、シンガポール(18.2%)、台湾(13.4%)、マレーシア(13.4%)、韓国(9.6%)とアジア圏での利用が多く、上位5か国で全体の78.2%を占めた。
実験結果からは、外国人ドライブ観光客の地方部(道央圏以外)での宿泊割合は42.5%と、全旅行者の宿泊割合29.5%(平成28年度北海道庁調査結果)と比較しても高い数値となり、レンタカーなどの利用が、外国人観光客をより地方部へ誘導していることがわかった。また、外国人ドライブ観光客の平均旅行日数は5.8日で、全旅行者の平均3.8日と比較しても、2日長く滞在していることもわかった。
さらに、利用者のアンケート結果からは、約7割の方が実際にアプリを活用して施設に立ち寄ったと回答。また、48/249の施設で、アプリ上で提供した特典が実際に利用され、実際に特典を利用した人は延べ600人以上にのぼった。
一方で、結果から見えてきた課題もある。外国人ドライブ観光客は、札幌・函館・旭川などの都市部を起点に、地方部を周遊観光することがわかったが、移動途中での立ち寄りは少ない。道内に存在する119の道の駅に関して、91駅では滞在時間が30分未満、69駅では10分未満だった。また、外国人モニターへのヒアリングからは、道の駅で取り扱っている特産品や地域の旬の観光情報は魅力的だという意見もあり、今後は道の駅などのスポットに関する周知や情報発信が課題だ。
(やまとごころ編集部)
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