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京都観光サイトにAIを活用したチャットボット導入 認定通訳ガイドによる個別回答の体制も全国初整備
2019.12.24
京都市と公益社団法人京都市観光協会(DMO KYOTO)が運営する日本人観光客向け「京都観光Navi」と、外国人観光客向け「Kyoto City Official Travel Guide」の両サイトに、人工知能(AI)を活用した自動会話プログラム「チャットボット」を12月19日から導入した。本事業は、宿泊税を活用して実施する。
チャットボットとは、ネットを活用したリアルタイムコミュニケーションであるチャットとロボットを組み合わせた言葉で、AIを活用した自動会話プログラムのこと。
これまで京都総合観光案内所(京なび)によく寄せられた質問を活用して、日本人と外国人観光客それぞれに応じた想定質問を作成。「スポット」、「イベント」、「交通情報」などのカテゴリーで整理した選択肢に基づいて会話を進められる。選択肢以外にも観光客が疑問を直接入力することもできる。選択肢や入力された単語をもとに、あらかじめ用意された回答を表示、24時間いつでもサイト上でスムーズに会話ができるようになっている。チャットボットは、これらの会話結果を学習することで回答精度が向上する仕組みだ。
京都観光Naviに導入するチャットボットでは利用者が質問した内容を蓄積し、質問内容からその人の興味や好みを分析することで、その人に合った観光情報を表示できるようにした。これにより観光客の満足度向上を図り、リピーターの確保、観光消費額の更なる増加につなげる。
一方、Kyoto City Official Travel Guideでは、あらかじめ設定した回答だけで対応できない場合は、京都の奥深い魅力を熟知している京都市認定通訳ガイド「京都市ビジターズホスト」が個別に回答する。利用者との会話対応を行った通訳ガイドは、その結果を踏まえて質問の追加や修正を随時行い、自動回答内容の精度向上を図る。なお、通訳ガイドによる専門的な回答体制の整備は全国初の取組となる。
(やまとごころ編集部)
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