インバウンドニュース
SDGsへの貢献とサステナブル・ツーリズムの推進に向けた取組方針、JNTOが策定
2021.06.28
日本政府観光局(JNTO)は、「SDGsへの貢献と持続可能な観光(サステナブル・ツーリズム)の推進に係る取組方針」を策定した。
訪日インバウンドの拡大に向けて世界に日本の魅力を発信する組織として、JNTOはイベント運営時のプラスチック使用削減など、組織運営や事業活動において、より一層環境保全に配慮し、コロナ収束後の世界の旅行者の持続可能性に対する意識の高まりも考慮した上で、SDGs達成に貢献していく。
取り組み方針は、 1.SDGsに資する組織運営の推進と、2.サステナブル・ツーリズム及びユニバーサル・ツーリズム推進の二方向からのSDGs達成を目指す。
1.SDGsに資する組織運営の推進
これまでもSDGsの考え方を尊重し、環境に配慮した省エネ・省資源の取組やジェンダー平等・多様性を意識した働きやすい職場環境の整備等を行ってきたが、今回の策定で、さらに、ペーパーレス化等の環境に配慮した取り組みや誰もが活躍できる職場づくりなどのダイバーシティの推進等を行い、SDGsの各ゴール達成に向けた取り組みを強化していく。
2.サステナブル・ツーリズム及びユニバーサル・ツーリズム推進
事業活動における環境保全への配慮では、ウェブサイトやSNSを通じた情報発信やデジタル広告等オンライン上での情報発信の他、旅行見本市への出展やセミナー・商談会の開催、海外の旅行会社やメディアの日本への招請事業等のオフラインの活動を行っていく。これまで以上に取り組みを広げるため、オフラインで行う事業の実施にあたっては、企画競争において環境に配慮した提案を求めていく。
特にサステナブル・ツーリズムの推進では、コロナ禍を経て観光を取り巻く状況が大きく変化し、観光分野においても「持続可能性」への関心が高まっている。JNTOが考える持続可能な観光とは、「地域の環境・文化・経済を守る、育む」であり、これらを実現するために、政府観光局としての発信力や国内外の観光関係者とのネットワークを活かし、サステナブル・ツーリズムの推進に取り組む地域や観光コンテンツの情報発信と国内関係者への国内外の先進事例の情報提供などを通じて、「持続可能な観光先進国」の実現に貢献していく。
具体的には、プロモーション活動における環境保全への配慮やプラスチック使用量の削減、紙の宣伝印刷物等の削減、環境に配慮したギブアウェイの作成、再利用可能な備品等の積極的な利用、イベント等におけるフードロスの削減などで、実際に、ローマ事務局では旅行博において、ブースの部材として可能な限りリユースを行い、廃材を削減・LED照明器具を使用したり、パリ事務局では、FSC認証など環境に配慮した紙を使用したパンフレットを作成、また、ソウル事務局では、観光ガイドブックに宿泊施設のバリアフリー情報の掲載などを行っている。
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