インバウンドニュース
UNWTO 世界の渡航制限最新データ発表、ワクチン接種率の増加と共に制限緩和を予測
2021.07.08
ワクチンの普及と、安全に旅行をするための様々なデジタル化施策導入の増加により、今後数週間から数ヶ月の間に国際的な旅客の移動数増加が見込まれることが、世界観光機関(UNWTO)の最新データより明らかになった。
世界の29%が現在も国境を閉鎖、36%が到着時の陰性証明書が必須
UNWTOによると、6月1日の時点では、全観光地のうち29%が未だ国境を完全に閉鎖している。そのうちの半数以上が2020年5月以降、もしくはそれ以前から観光客の入国を完全に禁止しており、大半はアジア太平洋地域に集中している。一方で、何の制限もなく観光客に完全に開放しているのは、アルバニア、コスタリカ、ドミニカ共和国のわずか3地域にとどまる。
また、36%の渡航先は到着時にCOVID-19の検査結果が陰性であることが必要で、場合により検疫を併用している。今回の調査で、疫学的状況の変化や変異株などを考慮に入れた渡航制限をする国・地域が増えていることが分かった。実際、全体の42%の渡航先が、変異株が懸念される渡航先からの訪問者に対し、フライトの停止や国境の閉鎖、強制検疫などの特定の制限を導入している。
旅行制限は地域で隔たり、アジア・太平洋は70%が閉鎖。欧米では20%前後
厳しい措置をとる渡航先の多くは、ワクチン接種率も低い。一方で、ワクチン接種率が高く、EUの一部地域のように各国が協調して調和のとれたルールやプロトコルを採用している観光地は、観光客が戻るのも早いとみられ、ワクチン接種率と規制緩和の関連性が示されている。
旅行の制限については、依然として地域差がある。アジア・太平洋地域の70%の都市が完全に閉鎖されているのに対し、ヨーロッパではわずか13%、アメリカ大陸では20%、アフリカでは19%、中東では31%だ。
ワクチンを接種した旅客に対する要件では、世界の全就航地のうち17%が、規則の中でワクチン接種を受けた旅客について明確に言及しており、殆どの場合は、まだワクチンを2回接種した旅客であっても引き続き旅行制限が適用されているが、今後数週間ですべての制限が解除されるなど、大きく変化するのではないかと考えられている。
ただし、アウトバウンドの旅行客数上位10カ国のうち4カ国(米国、中国、香港、カナダ)は、引き続き自国民に対し不必要な海外旅行を控えるよう勧告しており、各国政府が注意を促し続ける限り、世界の観光産業の復興は緩やかなものになると予測している。
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