インバウンドニュース
横浜市2030年を見据え「観光・MICE都市戦略」発表。観光消費5000億円、世界から選ばれるアーバンリゾート目指す
2024.01.16
やまとごころ編集部横浜市はこのほど、市の経済発展と活性化のための「横浜市観光・MICE戦略」を策定した。目指す姿は、世界から選ばれるアーバンリゾート。旅行者の満足度を高めると同時に、市民が誇りを持てる観光・MICEの振興活動で、横浜の様々な魅力を発信していく。DMOを中心にした推進体制の強化、持続可能な地域の経済循環の向上などの取り組みを、2030年を見据えた長期的な観点から進めていく方針だ。
横浜観光の現状をみると、2015〜19年の5カ年の観光消費額の平均は3467億円で、観光入込客数の平均は3612万人。6年後の2030年の観光消費目標額を、5000億円とした。誘客のターゲットは観光消費が高い層に絞り、「横浜の観光資源や強みと合致する層」「MICE参加者」「子育てファミリー層」「クルーズ客」の4つを設定、それぞれの層に合ったアプローチを行っていく。
実現のための4つの戦略も設定すると共に、2023年から25年度の取り組み事例も発表した。
1つ目の戦略「多様性あふれる魅了と感動のあるまちづくり」では、開港の歴史や文化、芸術や街のイベントなど、横浜ならではの体験価値を高め、来訪者の回遊に繋げる。地域それぞれのストーリー性を糧に新たな発見や感動を誘い、リピーターを増やしていく。取り組み事例としては、夜も朝も楽しめるまちづくり、音楽・エンタメによる賑わい創出などを挙げる。
2つ目の戦略は「グローバルMICE都市としての競争力の強化」で、経済効果が高い中大型の国際・医学会議、ビジネスイベントなどの戦略的誘致を積極的に行うと共に、受け入れ環境の整備や社会的効果の拡大などを目指す。取り組み事例としては、ユニークな会場でのレセプション、アフターコンベンションの充実や、MICE開催地横浜としてのブランディングなどを挙げる。
3つ目の戦略は「市内経済の活性化と人材の充実」。横浜の企業・機関を集積させたオープンイノベーション、DXの推進などで生産性を加速し、地域内経済循環の強化もしていく。また多様な人材の連携強化でMICE・観光産業の持続性を高める。取り組み事例としては、多様化・高度化する専門スキルの向上、様々な分野で活躍する人材が集まり交流できる拠点の創出、地産地消の促進などが挙げられた。
4つ目の「持続可能な観光・MICEの推進」では環境保全、市民生活の質向上、文化の継承・発展などに地域一体となって取り組む。市内外の事業者やDMO、行政、市民の連携強化により、地域の魅力を創出する。また観光危機管理の体制も整え、旅行者を受け入れる機運の醸成を図る。持続的な財源の確保を行い、DMOの安定した運営にも繋げていく方針だ。取り組み事例としては、SDGsに対応した滞在の促進による環境保全で市民生活に潤いと安定をもたらすなど、市民が誇れる魅力的な観光・MICE都市の実現を目指す。
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