インバウンドコラム
7月中にも台湾、ブルネイとのビジネス往来再開へ
日本政府は、7月中にも台湾、ブルネイとの間のビジネス往来再開に向け協議を始めることを公表した。すでに交渉を始めているベトナム、タイ、オーストラリア、ニュージーランドに続く往来緩和の第2弾として、7月中にもこれらの国と往来を再開させる方針だ。
JNTO発表の2019年年間の訪日外国人数(推計値)によると、昨年台湾からの日本への渡航者は489万人、2018年には日本から約200万人が台湾へ渡航している。また、台湾、ブルネイの両国とも新型コロナウイルスの感染拡大が抑制できており、台湾は6月29日時点で2カ月以上、ブルネイは1カ月半以上、新規感染者が出ていない状況が続いている。
ミャンマーやシンガポール、マレーシアも往来再開、対象国の候補に挙がっている。
中国や韓国を加えるかについては、日本国内でのPCR検査体制が限られており、大人数に対応しにくいことや、アメリカより先に中国などとの往来を再開させることへの外交的配慮もあり、慎重に検討している。
一方、朝日新聞は1日、複数の日本政府関係者からの情報として、日本政府が中国、韓国とも今月中にも入国規制緩和に向けた協議に入る方向であると報じている。
EU、7月1日からの日本からの渡航受け入れ
欧州委員会は30日、7月1日より日本を含む15カ国から EU(欧州連合)への渡航制限を段階的に解除し、観光客やビジネスでの入国を受け入れる国のリストを公表した。日本やオーストラリア、カナダなどが対象となっており、リストは2週間ごとに見直される。感染が増えているアメリカ、ロシアなどはリストに含まれなかった。
このリストは欧州委員会の勧告にとどまり強制力はなく、出入国の権限を持つ各国がこのリストを元に実際に受け入れるかの判断をする。
ギリシャは1日から全ての国際線の運航が許可されており、リストに載る国からの渡航も受け入れるとしている。入国者にはランダムに新型コロナウイルスの検査が行われている。
ドイツは、日本を含む11カ国からの入国を2日から認めると発表したが、「bilateral(バイラテラル)」両国による相互性を条件としており、ドイツからの日本への入国許可が条件となる。現在、日本政府はドイツを含む欧州すべてを感染症危険情報レベル3としており、これらの国は入国拒否の対象国としており、日本からの渡航も中止勧告としている。
欧州域内では、域内の移動の自由を保障した「シェンゲン協定」が結ばれているため、域内にいったん入ると原則パスポートの検査なしで協定加盟国内を行き来できるようになる。EU27加盟国のうちアイルランドを除いだ26カ国に、EU非加盟国のノルウェーやスイス、アイスランド、リヒテンシュタインを含んだ30カ国がその対象となる。
《EUが公表した渡航を受け入れる国》
アルジェリア
オーストラリア
カナダ
ジョージア
日本
モンテネグロ
モロッコ
ニュージーランド
ルワンダ
セルビア
韓国
タイ
チュニジア
ウルグアイ
中国(※)
※中国に関しては、中国側がEU市民の入国制限を解除するなら、認めるとの条件が示されている。
EUによると、制限解除の条件として、直近の新型コロナの感染件数や、検査件数、実施している防止策などの条件を、国を選定する上で考慮したという。
一方、日本政府は日本人を含むすべての海外からの入国者に対して、PCR 検査と14日間の自宅などでの待機を求める措置を、7月末まで延長することを29日に発表しており、EUへ渡航できても、日本に戻ってきた際の行動制限などがある。
(やまとごころ編集部:外島美紀子、深谷昌代)
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7/7 更新【新型コロナ:各国入国規制まとめ 】
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