インバウンドコラム
EU首脳会議、「復興基金」7500億ユーロで合意成立
EUでは5カ月ぶりとなる対面での首脳会議が行われ、新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けた国々を支援する総額7500億ユーロ(約90兆円)の復興基金について合意に達した。今回17日、18日の2日間で予定されていた協議は、独仏によって作られた原案(補助金が5000億ユーロ、融資が2500億ユーロ)に対し、オランダなどの「倹約4カ国」が反対したことで21日未明まで続いた。最終的には、返済が不要な補助金が3900億ユーロ、融資が3600億ユーロで合意に達したという。復興金はまず、新型コロナウイルスで甚大な被害を受け、財政的にもひっ迫しているイタリアとスペインに大きく配分される。
イギリス、スペインからの入国者に再び14日間の自己隔離を義務付け
スペインの一部地域で新型コロナウイルスの感染者が急増したことを受け、イギリス政府は25日より、スペインからのすべての入国者に対し、14日間の自己隔離を義務付けることを発表した。さらに同政府は国民に対し、スペインへの不要不急の渡航を控えるよう勧告。この突然の発表に、ようやく再開にこぎ着けた旅行業界や航空業界が新たな痛手を受けかねない事態となっている。
ショップやスーパーでもマスク着用を義務付け
イギリスでは7月24日以降、ショップやスーパーで買い物する際にマスクの着用が義務付けられた。イギリス政府は、この新たな規則に違反した場合は最大で100ポンド(1万3500円)の罰金が課せられることを発表している
マット・ハンコック保健相は「販売員や小売アシスタントの死亡率は、一般の人々に比べて男性で75%、女性で60%高くなっている」ことを挙げ、「安全に買い物をしてもらい、店員を守るためにも規則を強化する」と述べている。
ショップの店員は、マスクをしていない客の入店を拒否できるほか、従わなかった場合は警察に通報することもできる。イギリスの公共交通機関とNHS(国民保健サービス)の医療機関では6月15日以降、マスクの着用がすでに義務付けられている。
ウェールズ、アウトドアでのホリデーが人気
ロックダウンの規制が緩和されたウェールズでは、人との接触が少ない自己完結型の宿泊施設に人気が集まり、コテージやキャラバンサイト、ホリデーパークに予約が殺到しているという。中には、ロックダウン緩和後に1日300件の予約があった施設や、数時間で予約が埋まってしまった施設もある。人混みを避け、感染リスクの低いアウトドアでホリデーを楽しむ観光客が増えていることがわかる。
ドイツ、イギリスは検査態勢の強化を加速
ドイツとイギリスは、新たなロックダウン戦略を打ち出している。ドイツ政府は16日、政府と州政府で合意した新たなロックダウン戦略について発表し、人口10万人あたりの新規感染者数が50人を超えた都市や郡を対象に小規模なロックダウンを実施することを明らかにした。特筆すべきは都市や郡全体をロックダウンするのではなく、感染が想定される特定の地域だけを対象とする点だ。ドイツは週に118万件の検査能力があり、こうした高い検査能力で感染状況をより早急に把握できるようになってきている。
イギリス政府も今後は地域ごとの細かいロックダウンを行なっていく方針を示した。同政府は18日より、イングランドの地方自治体に施設の閉鎖やイベントの中止を命じる権限を与えたほか、第2波に向けて1日50万件の検査態勢を目指し、NHS(国民保健サービス)に30億ポンド(約4100億円)の追加支出を行うことを発表している。
一方、イギリスの観光業界は7月13日、ロックダウンによるビジネスの崩壊から回復することはできないと政府に訴えている。ホテルチェーンや観光スポットなどの主要企業は、大規模な観光マーケティングキャンペーンに資金を提供するよう政府に求める書簡を送り、「ロンドンの観光業は二度と元に戻らない可能性がある」と主張した。
パリ・フラージュでは新型コロナウイルスのPCR検査場を設置
フランスの首都パリでは、毎年夏にセーヌ川の河岸で一時的に人工ビーチを作る「パリ・プラージュ」がオープンした。例年同様にさまざまなアクティビティが繰り広げられるが、今年は新型コロナウイルスの感染対策を徹底した上で開催されている。中でも注目すべきは、パリ・プラージュの会場横に設けられた新型コロナウイルスのPCR検査場だ。利用する人々は気軽に検査を受けることができるため、不安を払拭してから夏の風物詩を楽しむことができる。
バルセロナ観光局、地元住民に割引ツアーを提供
バルセロナ観光局は、地元住民にバルセロナの魅力を再発見するよう促している。その一貫として観光客用の2階建てバスツアーを地元住民に割引価格で提供しており、大人は10ユーロ(約1220円)、4歳〜12歳の子供は5ユーロ(611円)、4歳未満は無料で利用することができる。
やまとごころでは、重点20市場における入国規制の状況を一覧にまとめています。
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