インバウンドコラム
【コロナ:世界の動きまとめ】緊急事態命令、自宅待機のハワイ・ホノルル市。州間移動制限、約3分の2のレストランが倒産危機のNYなど。深刻な状態つづくアメリカ
新規感染者5万人、依然として厳しい状況
世界最多の新型コロナウイルスの感染者数及び死者数となっているアメリカでは、現地時間の8月31日に新型コロナウイルスの累計感染者数が600万人を突破した。感染者数600万人は世界の感染者数の約4分の1を締める数字で、そのうちの死者数は18万7000人(日本時間9月4日時点)となっており、世界でも群を抜いている。1日あたりの感染者数はここ数週間で減少してきているものの、同日には5万人が報告されている。
連邦制をとっているアメリカでは、各州が独立した国のような権限をもっている。連邦政府はコロナ対策に対して指標を示すことはできるが、ロックダウンやマスク着用などの規制を取り決めるのは、州や群、市町村の権限となっている。州と市の足並みが揃わないこともあり、マスク着用を義務付けようとする市を、知事が止めようとするケースがあったり、逆にカルフォルニアなどのようにロックダウンを続けようとする知事の命令を無視して、市がビジネスの営業再開に踏み切るなどのケースもあった。
学校の再開の対応にも地域による差が見られる。アメリカでは8月下旬から9月初頭にかけ新学年が始まるが、完全オンライン授業とする学校や、一部少人数での対面とオンライン授業のミックス、生徒をグループ化させ、週や曜日で登校させる学校など、その対応も様々だ。
州間の移動にも14日間の自主隔離を求める
州間の移動にも、14日間の自主隔離が求められるケースもある。ニューヨーク州、ニュージャージー州、コネチカット州では、カルフォルニア州やハワイ州など28州と3地域から移動してきた場合は、14日間の隔離を求めている。
ハワイのホノルル市・郡では、8月19日より9月16日まで緊急事態命令が発令されており、すべての人(エッセンシャル・ワーカーを除く)に自宅待機と在宅勤務が命じられており、公立公園やビーチも閉鎖されている。
ニューヨーク州、レストランの約3分の2が倒産の危機
感染拡大を受け、カルフォルニア州、テキサス州、フロリダ州、コロラド州、ミシガン州では規制を再び強化。カルフォルニアでは、店内での飲食とバーなどが再び禁止となっている。
ニューヨーク州のクオモ知事は、9日からニューヨーク市のショッピングモールや州内カジノが条件付きで営業を再開させることを発表。3月から営業が禁じられ、現在も屋外のみの営業が認められている市内のレストランの再開については、最終決定は州の判断になるとしている。
ニューヨーク州のレストラン業界団体は州内にある1000店を対象に調査を実施。政府の追加支援などがない場合、州内にある店の約3分の2が来年1月にも倒産に追い込まれる可能性があるとする調査結果を発表している。
アメリカ版Go To キャンペーン「Let’s go There」がスタート
依然として深刻な感染状況が続く中、アメリカでは9月8日より、旅行需要喚起を目的とした「Let’s Go There」キャンペーンが開始される。同キャンペーンは、新型コロナウイルスの感染拡大で大きな打撃を受けた観光業界全体を回復させるための救済策として、米旅行協会(US Travel Association)が主導するもの。政府主導のキャンペーンではないため、費用はすべて寄付で賄われる。寄付金額に応じてデジタル広告やブランドで特典を得ることができる。
大手のホテルチェーンや航空会社、アトラクションなどがすでに参加の意向を示しており、米旅行協会のサイトでは、共有資料としてキャンペーンロゴやグラフィック、コピー、動画などを無料でダウンロードできるようになっている。
米航空大手3社で大規模な人員削減
新型コロナウイルスのパンデミックにより低迷しているアメリカの大手航空会社では、大規模なリストラが計画されている。ユナイテッド航空は10月1日に1万6370人の一時解雇を行うことを発表した。アメリカン航空グループも10月1日の時点で1万9000人の従業員を削減する計画を発表しており、デルタ航空を含めた大手3社では計3万7000人規模の削減となる見通しだ。米政権と議会は、追加の経済対策をめぐる協議を進めており、航空業界への支援も検討しているが、11月の大統領選を見越した与野党の対立により決定が遅れている。
やまとごころでは、重点20市場における入国規制の状況を一覧にまとめています。
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