インバウンドコラム
日本政府、水際対策緩和に向け二つの方向で調整
政府は、新型コロナウイルス感染拡大のために実施している水際対策の緩和に向け、調整を進めている。緩和策は、海外出張などからの帰国後の2週間待機の免除と、入国拒否の解除の二つの方向となっている。
一つ目の帰国後の2週間待機の免除は、海外出張から帰国する日本人や、日本の在留資格を持つ外国人が対象となっており、行動計画の提出や公共交通機関を使用しないことなどを条件に10月中に方針を決定する見通し。
もう一つの、渡航中止勧告と入国拒否の初めての解除は、中国、韓国、台湾、シンガポールなど12カ国・地域を解除する方針で検討を始めている。現在、日本は159の国と地域を入国拒否の対象としているが、感染状況の落ち着いている16カ国・地域と交渉を進め、すでにタイ、ベトナム、台湾など10カ国・地域のビジネス目的の往来を再開させている。今回、入国拒否解除を検討している12カ国・地域は、いずれもこれまで往来再開を交渉してきた16カ国・地域に含まれている。入国拒否が解除されると、自国を出国する前の陰性確認は引き続き求めるものの、日本へ入国した際の検査は不要となるが、一定の防疫措置を求めていく。この対象に観光客の入国は含まれない。
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「ニューヨーク=ロンドン」間、渡航規制緩和に向けて協議
アメリカ『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙は10日、米英両国が「ニューヨーク=ロンドン」間の渡航について、早ければ今年のクリスマス休暇シーズンから規制を緩和する方向で協議していることを明らかにした。新型コロナウイルスの影響で売り上げが低迷する航空業界や旅行業界の回復を後押ししたい考えだ。
同紙によると両国は、「ニューヨーク=ロンドン」間の渡航について、隔離期間の短縮を検討しているという。旅行者は出発前と到着後にPCR検査を受け、いずれも陰性であれば隔離が減免される方向で協議が進められている。現在米国は、英国や欧州からの入国(自国民や永住者を除く)を原則禁止しており、英国に米国民が入国する際には14日間の隔離が義務付けられている。
シンガポールとインドネシア、ビジネスおよび外交目的の往来再開で合意
シンガポールとインドネシアは、ビジネス目的や政府関係者による外交目的の往来を再開することで合意した。条件を満たした旅行者は、渡航前後に新型コロナウイルス検査を受診することが義務付けられる。
両国の感染状況は、シンガポールの感染者数が極めて少ないのに対し、インドネシアの感染者数は33万7000人(10月13日時点)で、東南アジアではフィリピンに次いで2番目に多い。
EU、渡航についての制限措置を色分けで表示
EUは9日、渡航者に対する検査や隔離措置を域内共通で色分けし、表示するシステムを導入することで合意した。これまで各国で足並みが揃わなかった制限措置を統一し、条件によっては自由に域内を渡航できる体制を整える。この措置は、来週正式に採択される予定。
英国、コロナ制限措置を3段階に区分
ボリス・ジョンソン英首相は12日、新型コロナウイルスの感染が再拡大する中、警戒レベルの度合いに応じて3段階の制限措置を追加導入すると発表した。具体的には警戒レベルを「非常に高い」「高い」「中程度」の3段階に分け、「非常に高い」地域では14日からパブやバーなどの営業停止措置がとられる。現在は、リバプールを中心都市とするイングランド北西部のマージーサイド州のみが「非常に高い」に区分され、スポーツジムやレジャーセンターなどが閉鎖される。ジョンソン首相は「全土での再ロックダウンは望んでいない」と強調しており、今後は感染状況に応じて地域ごとに対策を講じていく考えだ。
英政府、日本の「3密」キャンペーンに注目
12日に開かれた英政府の記者会見に出席したジョナサン・バン・タム副主任医務官は、日本が感染防止のために掲げている「3密」キャンペーンを紹介した。「ウイルスが拡散する条件は、日本の『3密』の助言にうまく要約されている」とし、バン・タム氏はこれに英国独自の「Duration(継続期間)」と「Volume(音量)」を加え、3密の状態が長く続いたり、大音量で歌ったり叫んだりすることを制限するよう訴えた。
中国・広東省で、中国版「歌舞伎町一番街」がオープン
中国の広東省仏山市では、8月に新宿歌舞伎町を模した繁華街がオープンした。中国版「歌舞伎町一番街」には日本と同じ標識が並び、日本語の看板なども掲げられている。新型コロナウイルスの影響により日本旅行に行けなくなった中国の若者たちに人気が高く、特に国慶節連休中は日本旅行気分を味わう目的で訪れる若者たちで賑わっていたという。
やまとごころでは、重点20市場における入国規制の状況を一覧にまとめています。
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