インバウンドコラム

【コロナ:世界の動きまとめ】欧州各国、次々とロックダウン。日本、入国規制緩和。中国、韓国など9カ国・地域への渡航中止勧告解除

2020.11.02

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新型コロナウイルスが再び拡大し、欧州各国が次々とロックダウンの導入措置を取り始めている。フランス、ドイツに続き、イングランドもロックダウンの再導入を決定。スペインでは緊急事態宣言が来年5月まで延長された。一方、日本政府は入国規制を緩和。1週間以内の海外出張から日本に帰国した日本人および在留資格を持つ外国人を対象に、帰国後2週間の待機措置を免除。中国、韓国など9カ国・地域の渡航中止勧告も解除していく。

 

イギリス、11月5日よりイングランド全域でロックダウン

イギリスのジョンソン首相は10月31日に、11月5日から12月2日までの約1カ月間、イングランド全域でロックダウン措置を再導入すると発表した。イギリスでは1日の新規感染者が2万人を超える日が続き、感染第2波で医療体制が圧迫されつつある。

今回のロックダウン措置では、生活必需品を扱う店舗の営業や学校などの教育機関の運営は続けられる一方で、パブやレストランは持ち帰りのみの営業となる。イギリスでは累計の感染者数が100万人を突破し、死者数はヨーロッパ最多の4万6000人を超える事態となっている。また、英政府科学顧問機関は同日、最悪のシナリオでは死者が8万人を超える可能性があると発表。ゴーブ英内閣府担当相は、12月2日以降も延長される可能性はあるかとの質問に対し「ある」と回答している。

 

スペイン、来年5月まで緊急事態宣言

10月25日に全土で緊急事態を宣言したスペイン政府は29日、当初は「2週間」としていた緊急事態の期間を来年5月9日まで延長すると発表した。スペインではこの日、国内の新規感染者が2万3580人と過去最多を更新し、累計の感染者数は119万人、死者数は3万5878人(日本時間11月2日現在)となっている。

 

イタリア、規制強化承認へ

イタリア保健相は1日、感染拡大を抑制するための規制強化を承認すると発表した。同国では10月31日の新規感染者が3万1756人と過去最多を更新し、感染の再拡大が急速に進んでいる。ロックダウン措置については2日に発表があるとみられ、今回のロックダウンは3月ほど大規模ではないとしながらも、スペランツァ保健相は感染拡大抑制の「唯一の方法」と説明。感染リスクの高い地域でのロックダウンや家庭学習の拡大などが実施されるとみられている。

 

フランスでは、12月1日まで全土でロックダウン

フランスは10月30日から12月1日までの約1カ月間、全土でロックダウンを実施している。これにより、生活必需品の購入や医療処置のための通院、運動のために毎日1時間外出する以外は自宅待機を命じられている。また、生活必需品以外のものを扱う店舗は少なくとも2週間閉鎖され、感染状況が改善した場合は再開を検討するとした。一方で春のロックダウンとは異なり、学校の運営は続けられる。

 

ドイツは部分的な措置を実施

ドイツでは、新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、11月2日から11月30日までの約1カ月間で部分的なロックダウン措置が実施されている。これにより、レストランやバー、スポーツジム、プール、映画館、劇場が閉鎖されているほか、集会は2世帯、10人以下に制限され、不要不急の旅行の自粛などが促されている。メルケル首相は感染状況が「極めて深刻」で、「直ちに行動をとる必要がある」と訴えた。

 

スペイン、イタリアでは死者数は減少

欧州で次々とロックダウンの措置がとられるなか、死者数が減少しているとのデータもある。先週に新規感染者が過去最多を記録したイタリアやスペインでは10月30日、新規感染者が前日を上回ったものの死者数が減少した。イタリアでは新規感染者2万6831人(29日)から3万1084人(30日)に増加したが、死者数は217人(29日)から199人(30日)に減少、一方スペインでは新規感染者2万3580人(29日)から2万5595人(30日)に増加したが、死者数は267人(29日)から239人(30日)に減少した。

 

スペイン発のコロナ変異体、欧州全土へ拡大した可能性

スイスとスペインの研究者7人は、スペインで6月に発生したコロナウイルス株が欧州全土へと急速に広がり、複数の国では感染のかなりの部分を占めているとの研究報告を発表した。この変異体は最初にスペインアラゴン州とカタルーニャ州で見つかり、その後2カ月でスペイン全土に広がり、その後国境を超えて拡散したとしている。スペインでは新規感染者の90%を占めているほか、スイス、アイルランド、イギリスでは新規感染者の40〜70%を占めているという。

 

アメリカ、1日の新規感染者が10万人を突破

新型コロナの累計感染者が世界で最も多いアメリカでは11月1日、1日の感染者が約10万人となり、過去最多を更新した。特に中西部や南部の州で深刻な状況が続いており、医療機関の受け入れ能力が限界に近づきつつあるとし、地元当局はバーやレストランでの店内飲食や夜間の外出を禁止するなどの制限措置を相次いで導入している。

 

インド、累計感染者数世界第2位へ

インドでは10月29日、新型コロナの感染者が累計で800万人を超えた。インド保健省の発表によると、同日の新規感染者数は4万9881人で、死者は517人。インドでは9月に1日の感染者数が9万7000人を超える日もあったが、その後ピークアウトし減少に転じている。インドの累計感染者数はアメリカに次ぐ世界第2位となっている。

 

日本、入国制限の追加緩和策を発表

日本政府は10月30日、入出国制限の追加緩和策を発表。11月1日以降、1週間以内の海外出張から日本に帰国した日本人および在留資格を持つ外国人を対象に、帰国後2週間の待機措置を免除する。ただし、新型コロナの陰性証明書や、帰国後の行動計画書の提出が条件となり、移動は職場と自宅の往復に制限される。

 

滞在72時間以内のビジネス関係者の入国容認を先送り

一方で、72時間以内の短期滞在をする海外からのビジネス渡航者に対し、条件付きで受け入れる案を検討していたが、欧米をはじめとする海外の感染状況が悪化していることを踏まえ、海外から日本への入国緩和は見送った。

 

中韓など9カ国・地域の渡航中止勧告解除 

茂木外相は10月30日、中国、韓国、ベトナム、オーストラリア、シンガポール、タイ、ニュージーランド、ブルネイ、台湾の9カ国・地域の渡航中止勧告を解除したと発表した。感染リスクの低い国の「感染症危険情報」のレベルを3から2に引き下げることで、企業の社員が海外出張をしやすい環境を整える。実際、オーストラリアやニュージーランドは外国人の入国を原則として認めていないが、日本から出国条件を緩めることで相手国の規制緩和を促していきたい考えだ。

 

やまとごころでは、重点20市場における入国規制の状況を一覧にまとめています。
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各国・地域の入国規制まとめ

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