インバウンドコラム
新型コロナによる世界の死者、150万人超
米ジョンズ・ポプキンス大学の集計によると、新型コロナウイルスによる世界の死者数が累計で150万人を超えた。週平均では9秒間に1人が亡くなるペースとなっており、世界の感染者数は累計で約6700万人に達した。
米国では2日、1日あたりの死者数が約2800人と過去最多を記録し、4月のピーク(約2600人)を超えた。米国の累計死者数は約28万1000人と世界で最も多く、全体の2割近くを占めている。米国に次いで多いのはブラジルで約17万6000人、その後インド約14万人、メキシコ約10万8000人が続く。欧州では英国とイタリアが6万人を超え、フランスも約5万5000人に達している。
米国は11月26日の感謝祭休暇で移動が増えたこともあり、新規感染者が1カ月でほぼ倍増している。入院患者も10万人を超えて過去最多となり、医療従事者や病床の不足が深刻化している。いっぽう、全土ロックダウンなどの厳しい措置を講じた欧州は感染のピークからひと段落し、フランスでは新規感染者数が11月はじめのピークから8割減、英国やスペインもピークから4〜6割減となっている。
「Go To キャンペーン」自粛でレジャー・外食業界が打撃
日本政府が推進する需要喚起策「Go To キャンペーン」の自粛を受け、レジャーや外食関連業界の先行きが不透明になっている。リクルートホールディングスは、旅行予約サイト「じゃらん」を含むメディア&ソリューション事業の2020年10月〜2021年3月期の売上高の見込みを前年同期比で9%減の2021億円〜6%増の2354億円とし、自粛の影響が広がれば200億円減収となる可能性がある。JR東日本も「Go To」自粛の影響が大きく、新幹線予約が半減。帝国ホテルも予約のキャンセルが新規予約を上回っているという。飲食店予約サイトを運営するぐるなびも「Go To イート」のポイントが使われず、未使用率が11月中旬時点で74%となっている。
「Go To トラベル」来年6月まで延長
日本政府は来年1月末を区切りとしていた「Go To トラベル」を、来年6月ごろまで延長する方針を固めた。来年3月ごろまでは旅行代金の35%を割り引く仕組みを維持し、以後は段階的に割引率を引き下げ、終了後の反動減を回避したい考えだ。
東京五輪、外国人観客を大規模に受け入れ
来年に延期した東京五輪・パラリンピックにおいて、日本政府が外国人観客の大規模な受け入れを検討していることがわかった。新型コロナウイルス対策を講じながら、入場チケットを予約した外国人観客を事実上制限なく受け入れる方針で、ワクチン接種を入国時の条件にはしない。外国人観客には入国後2週間の自主隔離を免除し、制限なく行動できるようにする。入国時にはアプリのインストールを要請し、アプリにはパスポート情報やチケット情報、陰性証明書、移動情報の記録などを連携させる予定となっている。
ロシア、コロナワクチンの接種を開始
ロシアのモスクワ市は5日、70カ所の医療機関で、自国で開発した新型コロナウイルスのワクチン「スプートニクV」の大規模接種を始めたと発表した。感染リスクが高い医療機関や教育機関に勤務する希望者を対象に無料で接種するが、同ワクチンは3段階ある臨床試験の最終段階が完了しておらず、安全性や有効性を懸念する声もある。英国でも米製薬大手ファイザー製のワクチン接種が8日から始まるが、先手を打つことでロシアのワクチンの有効性を強調する狙いもあるとみられる。
イギリス、コロナワクチン接種を8日に開始。高齢者や医療従事者などを優先
イギリス政府は6日、米製薬大手ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスのワクチン接種を8日から始めると発表した。今週の第1弾の接種は約80万回分となる見通しだ。イギリス政府はファイザーと計4000万回分の供給を受けることで合意している。80歳以上の高齢者や医療従事者、介護施設職員や入居者を優先し、イングランドだけでなく、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドでも始まる見込みとなっている。
アメリカ、コロナワクチン承認後最短24時間で接種へ
アメリカ、ホワイトハウスで新型コロナウイルスのワクチン配布を統括するモンセフ・スラウイ氏は1日、ワクチン承認から24時間以内、最長でも36〜48時間以内に医療従事者への接種を開始する可能性があるとの見解を発表した。さらに、年内に2000万人がワクチンを接種することを望んでいると述べた。感染拡大に歯止めがかからないアメリカでは、ワクチンの早期承認への期待が高まっている。
カナダ、アメリカとの国境規制を継続
カナダのトルドー首相は1日、新型コロナウイルス感染が世界的に制御されるまで、アメリカとの国境規制を継続させる方針を示した。カナダと米国は3月に不要不急の往来禁止で合意して以来、月単位で規制を延長している。一方で必需品や農産物、医薬品の貿易は従来通り行われているため、貿易への影響はないという。
フランス、国境で新型コロナ検査を実施。国外でのスキー阻止へ
フランスのフランスのカステックス首相は2日、国外のスキーリゾートの利用を自粛させるため、無作為で国境検査を実施する方針を明らかにした。フランス国内ではクリスマス休暇中にスキー場のリフトの運行が禁止される予定となっている。近隣諸国では、ドイツとイタリアはフランスと同様にスキーリゾートの閉鎖を呼びかけているが、オーストリア、スペイン、スイスは営業を継続する意向を示すなど、足並みが揃っていない。フランス政府は、国内のスキーリゾートが抱える不平等感に配慮するために、スイスとスペインとの国境でそれぞれ検査を実施するという。
やまとごころでは、重点20市場における入国規制の状況を一覧にまとめています。
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