インバウンドコラム
中国、2月11日より春節の7連休がスタート。トレンドはローカル旅行
中国の旧正月・春節の7連休が2月11日(木)〜17日(水)と迫る中国。例年は家族で過ごすため帰省旅行や海外旅行へ行く人も多いが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、ローカル旅行を望む傾向を示していることを、中国の大手旅行予約サイト「シートリップ(携程)」が発表した。検索データより、シートリップ・ユーザーの8割以上が住居のある市内でのローカル旅行を望む傾向を示しているという。
ローカル旅行に関する検索数は、検索ボリューム全体の40%以上を占めており、上海、湖州、広州、成都、重慶、武漢、貴陽、寧波、長沙、鄭州でのローカル旅行客が増加。とりわけ、上海では約61%増、湖州では約55%増、成都と重慶では約40%増となっているという。
穴場旅行、スキーや温泉、自然を好む傾向
ローカル旅行では地元周辺にある穴場観光スポットが好まれており、スキー場や温泉が、人気の高いトレンド検索となっている。自然に触れることを好む傾向も現れており、綿陽の九皇山、四川の峨眉山、成都の青城山、重慶の金仏山なども検索トレンドで上位にランクインしている。
高級ホテルや、赤色観光も人気
「ホテルでの春節(年越し)」も、地元で春節を過ごす方法の一つとして人気となっており、シートリップのデータによると、春節期間中のホテル予約の66.8%は高級ホテルが占めているという。
また、2021年は中国共産党創設100周年の節目であり、中国政府が「聖地巡礼」促進に力を入れていることもあって、赤色観光(中国語で「紅色観光」)と呼ばれる、中国共産党の歴史や革命の重要な舞台となった地を訪れる「聖地巡礼」にも注目が集まっている。
欧州、国境閉鎖などで規制強化
新型コロナウイルス変異種の感染拡大が懸念される中、欧州諸国の多くは入出国の規制を強化している。
ベルギーは不要不急の旅行を禁止すると発表。この措置は3月1日まで継続する。ポルトガルはロックダウン措置を延長し、海外旅行も禁止している。フランスは31日以降、EU域外との入出国を禁止し、ドイツはイギリス、アイルランド、ブラジルなどからの入国を禁止すると発表した。イギリスはこれまでで最も厳しい措置を導入。国境は閉鎖しないものの、30カ国のハイリスク国から入国する旅行者に対して強制検疫を義務付けている。
イギリス、人口の2割以上がワクチン接種完了
感染力が強い変異種の拡大に歯止めがかからず、 2月8日現在、これまでの新型コロナウイルスの感染者数394万5680人、死者が11万2000人を超え、アメリカ、インド、ブラジルに次ぎ世界で4番目の打撃を受けているイギリス。イギリス政府は「史上最大のワクチン接種計画」を12月8日から迅速に進めており、7日時点で全成人の2割以上に当たる1200万人が接種したという。15日までには、政府が目標とする優先グループ1500万人全員の接種が完了する見通しだという。イギリスでは、1日当たり40万人のペースで接種を進めており、人口100人当たりの接種回数はイスラエル、アラブ首長国連邦(UAE)に次いで世界3番目となっている。
イギリスでは、ロックダウン措置が少なくとも3月8日まで継続されることとなっている。また、直近10日間にコモン・トラベル・エリア(アイルランド、マン島、チャネル諸島)以外を出発、または経由したすべての国際旅客に対し、イギリス到着から10日間の自己隔離を求めている。
予防接種を受けたインバウンド観光客を受け入れる国も
出入国の規制を強化する国がある一方、予防接種を受けた観光客に対し、検査や検疫などの要件なしに国境を再開した国もある。現在この措置をとっているのは、ジョージア、セイシェル、ルーマニア(EU域内からの入国者のみ)、キプロス、レバノン、ポーランドなど。アイスランドは2021年5月1日より、EU域内および予防接種を受けたそれ以外の国・地域からの入国を制限なしで受け入れる。デンマークは出張時の国境間移動をスムーズにするために、陰性証明書となる「コロナウイルス・パスポート」とワクチン接種の有無を証明する「ワクチン・パスポート」を発行する準備を進めている。
タイ、ワクチン接種で隔離なしの入国を検討
タイでは旅行目的の入国が可能になったが、入国許可証の申請や陰性証明書の提示、保険加入、14日間(15泊16日分)の隔離施設の予約などが必要とされるなど、依然としてハードルは高い。
一方で、タイの観光・スポーツ省ピパット・ラチャキットプラカーン大臣はこのほど、新型コロナワクチンを接種した外国人に対し、14日間の隔離なしでの入国を許可する計画を明らかにした。
タイ国政府観光庁(TAT)総裁も、ASEAN諸国との協力のもと、隔離なしで往来できる「ワクチンパスポート」の導入を検討していると発表している。同総裁は、コロナ後のタイ旅行のスローガンに「SEXY」(S=safety and hygiene、E=environmental sustainability、X=extra experiences、Y=yield)を掲げ、安全と衛生、環境の持続可能性、特別な経験、収益に重点を置くという。
タイ国内では昨年12月より感染が再拡大し、一部の都県で厳しい規制を導入していたが、2月1日より緩和した。これにより、バンコクを含む27都県の学校を再開したほか、飲食店の閉店時間を午後9時から午後11時までに延長している。
スリランカ、国境再開で国際観光客受け入れ
スリランカは現地時間1月21日、国際観光のために国境を再開した。入国後14日間は滞在場所や国内の旅行先が制限されるが、スリランカ政府観光局の局長は「旅行者に安心して観光してもらえるよう、あらゆる予防措置を講じる」と述べている。
韓国、海外ホテルのネット販売が人気
韓国では、旅行会社の間で海外旅行のホームショッピングを再開する動きが出ている。韓国のOTA大手「インターパークツアー」は1月22日、ベトナムのダナンにあるホテルの3泊宿泊券を売り出し、合計で5000室の客室が販売されたという。海外旅行需要が高まって価格が上昇する前に低価格で予約できるキャンペーンとして打ち出し、同社は14億4500万ウォン(約1億3500万円)を売り上げたという。人気のシーズンは2021年7〜8月と、12月〜1月。ホテルの映像のほか、ベトナムの観光地の紹介も交えた映像が売上増のポイントとなった。韓国では2月より医療従事者へのワクチン接種がスタートする。
東京五輪の「プレーブック」初版が公表、応援は声ではなく拍手で
国際オリンピック委員会(IOC)と東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は3日、合同会見を開き、「プレーブック」の初版を公表した。今回のプレーブックでは、新型コロナウイルス感染拡大予防の規制がまとめられており、安全な大会運営に向けた選手やスタッフの来日前、滞在中、帰国後の基本的な行動ルールが記されている。これによると、選手を応援する際は、声や声援ではなく拍手で行うことを推奨している。参加者にワクチン接種は義務付けないが、選手らは4日ごとに検査を受ける必要がある。
2024年に開催されるパリ五輪に向けても、主催者が緊急時対応計画の策定を行なっているという。2024年パリ五輪組織委員長のトニー・エスタンゲ氏は2日、ロイターのインタビューに応じ、新型コロナウイルスのパンデミックが続いた場合でも、大会を開催する用意はできていると述べた。
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