インバウンドコラム
「IATAトラベルパス」の正式導入で、国際往来の再開に向け前進
シンガポール政府はこのほど、IATA(国際航空運送協会)が開発を進めているデジタル証明書アプリ「IATAトラベルパス」を、5月1日より正式導入すると発表した。これにより、渡航者はアプリ上で顔写真、パスポート情報、フライト情報、新型コロナウイルス検査結果、ワクチン接種記録などを一元管理することができるようになる。同アプリでは、各国の入国制限に関する最新情報を入手できるほか、入出国時にアプリの画面を提示するだけで、シームレスに非接触での手続きを進めることができる。
都市国家であるシンガポールは国内線がないことから、早期の国際線再開を目指しており、3月15日には世界に先駆けて同パスの実証実験を開始していた。現在はAppleのiOSのみに対応しているが、4月末までにはアンドロイド版の提供が開始されるという。
シンガポール空港入国者向けアプリ提供開始、PCR検査予約も可能に
シンガポールのチャンギ空港を運営するチャンギ・エアポート・グループは、シンガポールに渡航する入国者のためのアプリ「セーフ・トラベル・コンシェルジュ(STC)」を立ち上げた。このサービスにより、入国者は同アプリで到着時のPCR検査を予約できるほか、渡航前に入国条件をすべて満たしているかを確認することができる。また、入国管理局の電子入国カードや健康申告書などのサービスにアクセスすることが可能だ。
香港とシンガポール、トラベルバブル実施向け協議開始
シンガポール政府と香港政府は、到着後の隔離なしで国・地域間の相互往来を認める「トラベルバブル」について、実施に向けた協議に入ったことを明らかにした。両政府は昨年10月にも往来再開を巡って協議していたが、11月に入って香港の感染状況が深刻化し、延期されていた。シンガポール政府は、タイ政府ともトラベルバブルの実施に向けて協議しているという。シンガポールは国土が狭いために国内旅行が難しく、国際往来の早期再開を望む人が多い。
シンガポールでは、新型コロナワクチンの1回目の接種を終えた人が113万1658人、2回目の接種も終えた人が53万5864人となり、全人口(約570万人)のおよそ29%にあたる計166万7522人が1回以上ワクチンを接種している(4月6日時点)。同国の保健省は、予定を前倒しして45歳以上の人々への接種を開始し、ワクチンへの不安を払拭するために適性を判断するスクリーニングを強化するなど、できるだけ多くの人が安心して接種できるよう務めているという。
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