インバウンドコラム
NZ、豪と隔離措置なしの「トラベルバブル」を19日からスタート
現地時間4月19日、ニュージーランドとオーストラリアとの間で相互間を隔離なしで往来できる「トラベルバブルが」スタートし、両国の空港では、引き裂かれていた家族らが一年越しの再会を果たした。
ニュージーランドのアーダーン首相は6日に、オーストラリアとの間で隔離措置なしで相互に往来を認める「トラベルバブル」を19日より開始すると発表。オーストラリアは既にニュージーランドからの渡航者に対する隔離措置を撤廃していることから、両国間で「トラベルバブル」が実現した。人口500万人のニュージーランドでは、新型コロナによる死者がわずか26人、人口2500万人のオーストラリアも死者は1000人未満にとどまっている。
トラベルバブルの実現でニュージーランドの経済効果は約780億円と試算
アーダーン首相は「過去12カ月の間、感染抑制に成功したことによって、トラベルバブルを実現することができた」と述べ、トラベルバブルの実現によって、今年は最大で10億NZドル(約780億円)の経済効果が見込めると発表した。
同国のオリンピック委員会でトップを務めるケレイン・スミス氏は14日、東京五輪の出場選手に新型コロナワクチンの接種を開始したと発表した。さらに27日には、新型コロナウイルスの感染拡大に関連する健康上の懸念から、国内の一部アスリートが東京五輪に参加しない可能性もあると述べている。
豪、トラベルバブルで需要増、国内旅行もコロナ前の水準まで回復
オーストラリアのカンタス航空は、トラベルバブルの実施で需要が増加したことから、増便を決定した。今後ピークを迎えるスキーシーズンには、スキーリゾートであるNZのクイーンズタウンへの路線を過去最高の1日3便に増やす意向を示した。同社の国内線も順調に回復しており、6月までにコロナ以前の9割まで回復する見込みがあると発表。コロナ禍の1年間で、国内のレジャー路線を半額にするキャンペーンを打ち出したほか、国内34路線を新規開設するなど、積極的に新たな需要を掘り起こしたことが奏功したようだ。
オーストラリアの財務省の分析資料によると、国民が昨年第4四半期(10〜12月)に国内での休暇に多額の支出を行なったことで、国内総生産の約1.5%に相当する75億豪ドル(約6254億円)の経済成長が見られたという。
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