インバウンドコラム
中国、端午節連休で国内旅行活況。観光客数8913万人、観光収入5000億円超
中国では6月12日から端午節の3連休に入り、国内旅行市場が活況を呈した。中国文化観光省のデータによると、連休期間中の国内観光客数は延べ8913万6000人となり、前年同期比94.1%増、新型コロナウイルス感染症流行前の2019年同期比98.7%まで回復した。国内観光収入は前年同期比139.7%増の294億3000万元(約5021億円)に達し、2019年同期比74.8%まで回復した。
また、交通運輸部によると、端午節連休中は、鉄道、道路、水上輸送、航空の旅客輸送量が延べ1億2400万人に達し、1日当たりの平均は延べ4123万2000人で、前年同期比52.5%増だった。
端午節は3時間以内の近場旅行が人気
中国大手OTA、携程(Ctrip)のデータによると、今年の端午節連休で人気があった旅行先都市トップ10は、北京、上海、成都、杭州、重慶、南京、西安、長沙、武漢、鄭州だった。また、3連休中の同社の受注は、前年同期比83%増で、チケット、レンタカー、テーマ旅行などの事業が2019年同期比で急増し、それぞれ87%増、153%増、171%増だった。
同じく中国OTAの驢媽媽によると、今年の端午節連休は短距離、中距離の国内旅行の需要が多く、6割弱の観光客が3時間以内の目的地を選択していることがわかった。
中国OTA、フリギー(Fliggy)のデータでも、地元のツアーに対する需要が高く、ホテル予約は前年同期比90%以上、チケット予約は50%以上増加したという。同プラットフォームでも、安全で柔軟に行動できるレンタカーツアーが人気を博し、予約数が前年同期比72%増加した。
革命聖地を訪れるレッドツーリズムが急成長
近年、中国国内の「革命の聖地」などを訪れる「レッドツーリズム」が急成長しており、文化観光省は端午節連休の前に「レッドツーリズムのための100の優れたルート」を立ち上げた。コロナ禍で国内にとどまることを余儀無くされる中、若者の間で急速にレッドツーリズム観光の認知度が高まり、さらなる追い風となっている。同省のデータセンターによると、レッドツーリズムの観光地チケットの売り上げは、連休期間中に前年同期比60%増加したという。
国内観光客総数の約85%を占めるといわれる80年代以降、90年代以降、00年代以降の世代の間では、テーマパーク、動物園、美術館、ウォーターパーク、ラフティング、アウトドア・アクティビティといった観光商品の人気が高く、特に80年代以降の世代は約半数が子連れの家族旅行となっている。
ワクチン接種10億回を突破、深センで変異株の感染判明で入国規制強化
中国衛生健康委員会が発表した声明によると、中国では、現地時間6月19日の時点で10億回以上のワクチン接種が行われたという。国内の感染状況は落ち着いており、18日の国内の新規感染者は30人と発表されている。
そんななか、広東省では感染者数が増加している。広東省衛生健康委員会によると、5月18日~6月19日の1カ月の感染者数が290人を超えており、そのうちの90%近くは省都の広州で確認されている。製造業の一大拠点になっている広東省の東莞市では6月21日、新型コロナウイルス感染症の大規模検査を実施し、市外への不要不急の移動を控えるよう呼びかけている。広東省深セン市の国際空港でも19日、空港内飲食店の従業員が新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」に感染していることが判明。400便近くのフライトがキャンセルとなり、入国規制が厳格化された。
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