インバウンドコラム
観光庁では現在、訪日外国人を中心とした旅行者のために受け入れ環境を整備する自治体やDMOに対し、対象経費の半額を補助する「観光振興事業」の募集を行っています。
事業の主要目的は、日本各地で外国人などの旅行者が観光しやすい環境を整え、「まちあるき」の満足度向上を図ることです。特に、訪日外国人旅行者のニーズが高い取り組みに対して集中的に支援するもので、インバウンドの受け入れ体制の整備に取り組む(もしくは今後取り組もうと思っている)自治体やDMOにとっては、必ずチェックしておきたい内容となっています。
公共交通機関の駅から観光スポットにつながる散策エリアにおける「まちあるき」の満足度向上について、観光庁が想定する事業には以下のような例が挙げられています。
1 多言語観光案内標識の整備
2 無料Wi-Fiの整備
3 地域の小売店や飲食店における多言語対応およびキャッシュレス決済対応
4 公衆トイレの洋式化
5 外国人観光案内所の整備・改良
6 観光拠点の情報や交流施設の整備・改良
7 外国人観光案内所における非常用電源装置の整備および情報端末への電源供給機器の整備
また、地域の選定に関しては以下3つの要件を挙げています。
○ 訪日外国人旅行者の評価が既に高い観光地
○ 重要な文化財や国立公園が所在する地域
○ 国際的なイベント・会議の開催等により、 訪日外国人旅行者の来訪が多く見込まれる観光地
申請する場合はまず「旅行環境まるごと整備計画」を作成し、地方運輸局などを通して観光庁に提出します。その後審査が行われ、観光庁が支援対象とする整備計画を認定するという流れです。具体的な応募要領はこちら。
来年に開催される東京オリンピックの影響で、訪日外国人がより一層増えると予想されています。また、台風による災害の多いこの季節に、もう一度自治体における災害対策について考え、旅行者のためにも備えておくことが重要です。
訪日外国人旅行者に対する受け入れ環境の整備を計画・実行するためにも、こうした国の補助金を活用してみてはいかがでしょうか。
最新記事
コロナ禍のいま中国市場向けにできることは? 検索データから分かる中国人のトレンドとSNSを活用したマーケティング戦略 (2020.10.20)
京都の街並みを再現した960億円の巨大プロジェクト、中国の大連市で進行中 (2019.09.30)
2019年ゴールデンウィーク中にじっくり読んでおきたいインバウンド記事5選 —やまとごころ編集部ピックアップ (2019.04.27)
人口に対する訪日客数・リピート率も1位の韓国人は、何を求めて日本にやって来るのか (2019.04.25)
今年9月に開催されるラグビーワールドカップ2019、欧・豪からの訪日に期待。旅行単価は20万円超に (2019.04.12)
イングランドで開催されたRWC2015を振り返る —平均滞在期間は2週間、消費額は42万円、口コミによる好循環も (2019.04.04)
訪日客数4000万人に向けて加速する取り組み、訪日中国人への個人観光ビザ緩和がもたらす変化 (2019.02.18)
ロボットと京観光 —AIは観光業界の担い手になりうるのか (2019.01.25)