インバウンドコラム

コロナ禍で倒産をしないため、企業の経営者が「今」やるべきこととは? 〜Q&A〜

2020.05.04

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3部構成でお届けしているセミナーレポート『コロナショックで倒産させないために、経営者が今やるべきこと』。宿泊施設経営者向けに緊急開催されたオンラインセミナーの内容から、Par1では、経営者が今やるべき具体策など5つなどを、Part2では、融資や助成金について詳しく解説してきた。
Part3となる今回は質疑応答をまとめてお届けする。

 

宿泊業経営者目線での質問

政策金融公庫と商工中金、どちらの方が与しやすい?

村山:融資や助成金について。中山さんから宿泊施設あるいは、経営者目線で見て何か質問はありますでしょうか。

中山:政策金融公庫と商工中金の融資に関しては、どちらの方が与しやすいというのはあるのでしょうか?

坂本:いえ、どちらも同じです。商品もほぼ同じですが、今現在は、政策金融公庫の渋滞が激しいようですので商工中金をおすすめしています。またそれぞれ別枠ですので両方に申し込みすることも可能です。

中山:都道府県協力金のところで説明された宴会場に協力金が出るというお話ですが、地方のホテルや旅館でも宴会場は持っていますので、もう一度補足していただけますでしょうか。

坂本:東京都の感染防止協力金のところですが、大前提としてこちらの協力金の背景が、密集を避けるために休業した場合となっていますので、宿泊業は当てはまりません。ただ、宿泊施設の中に、集会場や宴会場があった場合には、密集を生み出しますので、これは休業対象にしましょうという考え方なんです。シティホテルに関しては当然対象になると思いますが、それ以外の旅館や小さめの独立系の宿泊施設が宴会場に準じたものを持っていたとして、該当するかどうかに関しては個別に聞いていただくしかないと思います。

中山:これは東京に限定したものになりますでしょうか。

坂本:30数カ所の自治体も東京に準じた形で協力金を出していますので、宴会場があるならば適応される可能性があると思います。

 

リスナーよりの質問

融資を通す確率を、少しでもあげるべく動く

「税金の支払いも待ってもらえるのでしょうか」

坂本:はい、猶予の可能性は充分あると思います。宿を経営されている皆様なら税理士さんとお知り合いだと思いますので、税金に関しては税理士さんに、人に関わる助成金は社会保険労務士に聞くなど、周囲におられる専門家に聞いてみるのが良いかと思います。融資に関しては、今回かなり書類が簡素化されていますので、初めての方でも充分対応できるかと思います。

「政策金融公庫の融資ですが、今申請すればいつ頃、実行されるものでしょうか?」

坂本:ある種、見せ方次第になるかと思います。最速で言えば、今日が4月27日に出せば5月末に実行されます。それは5月中にお金が必要だということを向こうに伝えることが大前提です。普通に行って、特に急ぎませんということで言うと2〜3カ月待たされます。

「融資を早めるために打てる方法としては何かありますか」

坂本:早く申請を出すということと、加えて資金が必要な時期に関して明記することです。明日に行って5月末の支払いが足りないと申し込みすれば審査の優先順位が早まってきます。皆さん品が良いのでやってらっしゃらないんですが、今は割り込みありです。

「国は自粛という流れですが、一部営業しながら融資を受けることはできますか?また実際、面談などができない状況で、融資の書類を郵送でやりとりしていますが大丈夫でしょうか?」

坂本:今回はかなり広く融資をしています。たとえばリスケと呼ばれている、すでにコロナ前から支払いを延期してもらっている会社さんも今回は融資対象になりそうです。コロナの影響に関しては、可能な限り接触を避けるよう対応をしていますので、郵送やインターネットでの申し込みもできますし、一部、来店もなく融資が決まったというケースもありました。ですのであまり営業状況などは心配されなくてもいいかと思います。

「融資を通す確率を上げるために、可能性を1ミリでも高めるために、何ができるか、アドバイスはありますか?」

坂本:これはあくまでも融資です。ということは、返せるという計画を見せないと向こうも稟議は通すことができません。なので過去の利益が出ていることをアピールするか、赤字だったならば、赤字要因をキチンと見せておいて、コロナの間に赤字要因は潰していき、コロナ後には黒字になるんですよ、と言った計画を立てて説明することが必要です。

「ホテルの現場を踏まえた上でのアドバイスはありますか?」

中山:「チェーン系のホテルは別として独立系のホテルや旅館の場合は、書類を揃えるのが得意でないところもあります。ですが、この融資は、1年間利子が免除されるなど、宿泊業界にとってアドバンテージのある話です。坂本さんがおっしゃるように、条件が揃ってさえいれば、早ければ早いほど融資がおりるワケです。私の存じ上げている方も、3月18日にこの話が公布されて、24日には申請を出して、3月末には入金があった方もいます。一方で、先週出された方は6月末と言っておられました。一度出して突っ返されてそれをまたすぐ出すというワケにはいかないかもしれませんが、懲りずにぜひ頑張って申請をしていただきたいなと思います。

 

登壇者よりのコメント

村山:今日は非常に有益が情報をありがとうございました。最後に、皆さんにひと言いただけますでしょうか。

坂本:私どもやまとごころキャリアはインバウンド業界に身を置きまして、皆さんと同じように非常に厳しい状況にあります。ですが、会社を存続させよう、成長させようという思いを持っておりますので、できる対策は全部打ち切って、どうにか生き残って、数年後、あんな時代もあったねと皆さんと笑って話せるようにしていきたいと思っております。頑張りましょう。

中山:私も同じ思いです。先ほども申し上げたように、ホテルマンとしてのプライドや旅館スタッフとしての矜持はさておき、ホテルであり旅館である前に企業であるわけで、企業としていかに存続するか、そしてそこで働くスタッフの健康をいかに守れるか、そのことをぜひ最大ポイントとして、経営者の方はがんばっていただきたいと思います。

村山:本日は、ありがとうございました。私自身もインバウンド中心に事業をすすめていますが、やはり大きな打撃を受けています。一方で宿泊施設はその地域の特徴を彩る大切な観光資源だと思っています。特に地方で独立系で営まれている経営者の皆様に少しでも有益な情報を提供できたならば嬉しく思います。

 

 

 

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