インバウンドコラム
ただいまスイスに滞在中です。私は10年ほど前スイスに住んでいた事があるのですが、今回、町の中で「日本」に出会う事が、当時と比べてはるかに多く、非常に驚きました。この感動を、やまとごころ読者の皆様と共有したく、「海外メディアななめ読み」番外編として、スイスで見つけた日本をご紹介します。
◆デパートのショーウィンドウに「割烹白だし」
チューリヒの町中を歩いていると、デパートJelmoliのショーウィンドウで、我が家の台所にもあるヤマキの「割烹白だし」が、スポットライトを浴びていました。
このディスプレイは、今月チューリヒで開催中の、FOOD ZURICHという食のイベントのPRの一環でした。
ヨーロッパのショーウィンドウで見る「白だし」は、毛筆ラベルの影にうす黄金色の液体が輝き、私の目にもエキゾチックに写るから不思議です。
FOOD ZURICHのイベントでは、市内の「スシバー」で寿司を作ってみるという体験ワークショップが催されており、早くからチケットは「売切れ」でした。
◆魚売り場にマグロのサク
30年前には、魚屋で「この魚は生で食べられますか?」と聞くと、怪訝な顔をされたそうです。10年前には「スシでもいけるよ!」と言ってくれる所がありました。
今では、すでにサーモンやマグロのサクが売り場に並んでいるのを見かけて、時代の流れを感じました。
◆スーパーにて
ごく普通のスーパーでも「日本」を発見しました。
・枝豆
枝豆が効率的に改良され、「剥き甘栗」ならぬ「剥き枝豆」として売られていました。
「プチプチ皮から出して食べてこそ枝豆!」と思うのは日本人的感覚なのでしょうか。
・カラフルな海苔
ホームパーティが大好きなスイス人たちは、友達同士集まって寿司を作ることも多いようです。
そんな時、「黒い海苔」ばかりでは華がありません。この海苔を使えば、インスタ映え間違いなしです。
◆ファッション
チューリヒの駅前通りのファストファッション店で、なぜか、”Tokyo”というロゴ入りのセーターが売られていました。
チューリヒで買った「”Tokyo”セーター」を東京で着るというのもオツかなと、購入してみました。
◆ラーメンブーム
今、スイスではラーメンブームだそうです。10年前は、寿司レストランや和食屋さんはあったのものラーメン屋はありませんでした。パリへ行った時にラーメン屋やお好み焼き屋があって、ひどく興奮したのを覚えています。
スイス在住歴13年で、チューリヒの寿司レストランで働く友人によると、最近では「日本に行ってきたよ!」というお客さんも多いとか。「お茶、おひとつですね?」など、簡単な日本語を使って接客すると、喜んでもらえるのも、最近の傾向だそう。
伝統を重んじ、新しいものにおいそれと飛びつかないのがスイス人。日本食や日本への関心の高まり具合も、他のヨーロッパ諸国と比べて、10年ほど遅れています。
遅れてやってきた日本ブームですが、それだけに、まだまだのびしろがあるとも言えそうです。
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