データインバウンド
【訪日外国人の傾向を知る】タイ編:100万人規模の訪日市場へ
2018.04.13
刈部 けい子タイの正月は今まさにこの時期、毎年4月13日〜15日(タイの旧暦チャントラカティの新年)で、ソンクランと呼ばれている。前後の平日や週末を含めて5日間以上の大型連休となるため、都会から故郷へ帰省する人はもちろんのこと、最近では海外旅行へ出かける人も増えている。
グラフを見てもわかるように、タイからの訪日客が1年で最も多いのもこの時期だ。タイは4月から5月が一番暑く、学校の夏季休暇とも重なるため、家族連れでの旅行がしやすいこの時期が一番人気となっている。もっとも最近では10月から12月の紅葉から雪のシーズンも訪日客が増える傾向にある。
まだ訪日ビギナーが多いタイ人の訪日二大目的は「日本食を食べる」ことと「ショッピング」。タイには日本食レストランが2,000軒以上もあり、ヘルシーで美味しいと人気の日本食を本場で食べ、品質の良い日本製品を買うことが大きな満足度につながっている。
旅行先はゴールデンルートが主流だが、他の市場と同様にFIT(個人旅行)化も進んでいるので、旅行先や予約方法が多様化し、地域限定の鉄道パスやレンタカーを組み込んだパッケージも売れるという。タイの旅行博では、旅行先やレストランなどの情報として、日本人の生の声を聞きたいという要望が増えており、「自分しか知らない情報」を求める傾向が見られるという。
また、日本に次いで世界第2位の利用者がいるLINEや、人口の6割が利用しているFacebookなど、世界でも特にソーシャルメディアの利用率が高い国ということは情報発信を考える上で押さえておきたいところだ。
2016年に前国王が亡くなり、2017年は服喪期間だったにも関わらず年間で98万7000人が日本を訪れた。2018年は航空便の新規就航や増便が相次ぎ、訪日客数のますますの増加が期待できる。100万人規模の市場となるタイに注目したい。
追記:2018年のタイからの訪日客数は前年比14.7%増の113万2160 人だった。
(やまとごころ編集部)
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