データインバウンド
【訪日外国人の傾向を知る】スペイン編:交通費支出1位、ハネムーン利用は2位
2018.08.20
刈部 けい子観光庁は今年度から欧米豪市場への訪日プロモーションを強化させた。2017年の訪日客数2869万人のうち、東アジアが74.2%に対し欧米豪は11.3%にすぎない。海外旅行市場の規模から考えても、欧米豪からの訪日は少なすぎるのが現状だ。滞在日数が長い欧米豪の訪日客を増やしてこそ、旅行消費額の伸びも期待できる。その中で、2017年の訪日客数のうち、欧州ではロシアについで伸び率が高かったスペイン人に注目したい。
2017年のスペインからの訪日客数は前年比8.7%増の9万9814人。JNTOの重点20市場では19位の数字だが、表にもある通り、一人当たりの旅行支出は21万2584円で、中国、オーストラリア、英国に次いで4位だった(ちなみに2018年4-6月の訪日外国人消費動向調査では一人当たりの旅行支出が24万3743円と増え、オーストラリアにつぐ2位だった)。中でもスペインに特徴的なのが、交通費が1位で、飲食費でも3位となっている点。ここから彼らの旅行スタイルが見えてくる。

交通費が多いのは、重点市場の中で個別手配旅行が92%と最も多いことと直結している。訪日1回目が70%以上という訪日ビギナー市場だが、定番の観光地だけでなく、友人や家族からの薦め、口コミなどから、地方にも積極的に足をのばしているため、自ずと交通費もかかるといえそうだ。 例を挙げると熊野古道。東京からだと飛行機や列車、バスを乗り継いで行くことになる。スペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」と日本の熊野古道を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」は、世界でただ2つ、世界遺産に登録された「道」で、和歌山県田辺市とサンティアゴ・デ・コンポステーラ市は2015年に観光交流協定を締結。巡礼好きなスペイン人は熊野古道をよく訪れるようになった。また、飛騨高山や白川郷も口コミで人気が高い。
海外旅行というと、スペイン人は欧州内へ出かけることが多いし、日本旅行はお金がかかるという意識もまだあるようだ。ただ、幼い頃から日本の漫画やアニメ、ゲームに親しんでいることや、自分たちとは異なる独自の文化を持つ日本への関心は高い。特にハネムーンという特別の機会を利用して日本を訪れる人たちも多い(来訪目的のうち3.7%がハネムーン。これはイタリアの4.7%についで多い=2017年訪日外国人消費動向調査より)。
飲食費が多いのは、スペイン人が食事の時間をとても大切にしているからといえそうだ。家族や友人とランチやディナー、食後のお酒を楽しみながら延々とおしゃべりに興じるのは旅行先でも変わらない。また、スペインでも日本食のレストランは多く、海鮮はスペイン料理にもよく使われ抵抗がないため、日本で寿司を食べて感激する人も多いという。
スペイン人の訪日は例年8月がピーク。今年も、日本の夏を満喫するスペイン人を見かけられた方も多いのではないだろうか。
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