データインバウンド
【訪日外国人の傾向を知る】ベトナム編:ASEAN地域で伸び率1位、LCCで気軽に海外旅行、買い物意欲も旺盛
2018.10.23
刈部 けい子日本人の旅行先として最近人気のベトナム。2017年の日本人訪問客は約80万人と過去最高を記録した。2010年以降、毎年順調に増加しており、この8年間でほぼ倍増となっている。日本からはハノイ、ダナン、ホーチミンと3都市に直行便が就航していることが大きい。さて、それではインバウンドの方はどうなのだろう。実はベトナムからの訪日はアウトバンドより大きく伸びており、2012年の約5.5万人から2017年には約30.9万人と6倍近くになった。JNTOの主要20市場では2017年の前年比伸び率で、ASEAN地域で1位、全体でもロシア、韓国に次ぐ3位だった。
訪日ベトナム人の観光客率は3割のみ、その理由は?
グラフをご覧いただくとわかるが、訪日ベトナム人に特徴的なのが、観光客が全体の約3割、商用客が約2割、その他の客が約5割という点。その他の客とは、留学生や技能実習生を含んでいる。日本介護福祉士養成施設協会の調べでは2018年度に介護福祉士養成課程のある専門学校や短大、大学に入学した外国人のうち、ベトナムが542人と最多だった。
観光客、商用客、その他の客の割合は一定のまま推移しているが、最近は観光客の割合が増加傾向にあり、2017年は観光客が前年と比べて39%増加した。
また、留学生や技能実習生は短期・長期にかかわらず日本滞在中に日本の良さを知ることで、将来的な訪日客につながるとみられる。なお、留学生や技能実習生はハノイからの訪日の割合が高く、ホーチミンでは6割近くが観光目的といわれる。

平均年齢30歳のベトナム市場で起こる海外旅行ブーム
現在のベトナムはちょうど日本の60年代〜80年代と重なる部分が多い。例えば国民の平均年齢が30歳で、海外旅行ブームが起きており、深刻な大気汚染や環境問題が浮上、マクドナルド(2014年)やセブンイレブン(2017年)の1号店が誕生した。つまり、ベトナムはまだ若い市場で、今後の訪日客としてのポテンシャルが大きいといえそうだ。海外旅行では富裕層は欧米へ目が向いている傾向があるが、中間層以下や若い世代では、これまでビザなしで東南アジアへ行っていた個人客が、次の目的地として日本を目指すようになっている。
旅行スタイルでは、初来日が多く、ビザも必要なため、観光目的の訪日客では4割が団体ツアーを利用(ハノイ、ダナン、ホーチミンでの調査では7割が団体ツアー)。ゴールデンルートが多いが、その他フライトのある九州、中部ツアーもある。平均滞在日数は5.4日。ツアー価格は下がる傾向で、最近では3泊4日で約10万円。訪日経験者のクチコミで体験などの情報を収集するが、お役立ち情報の入手先としては旅行代理店が最も重要な存在だといい、旅行コンサルタントの役目も果たしている。また、Facebookが検索エンジン代わりになっており、旅行会社もFacebookで積極的に情報発信をしているという。
LCCを利用して気軽に訪日旅行へ
最近のトレンドとしては、LCC就航に伴う海外旅行の大衆化が挙げられ、日本へはジェットスターパシフィック(2017年9月)、ベトジェット(2018年11月予定)の直行便が新規就航。さらに、一般的なツアーよりも手頃な価格のチャーター便利用ツアーや、30〜50名単位での社員旅行による訪日も増えている。また、前述のASEANを個人で旅行した層では訪日でも個人旅行のニーズが拡大しているという。
ベトナム人観光客が訪日旅行に一番に求めるものは日本食を食べること、ついで桜や雪などを含む自然の景観、富士山観光、ショッピングと続く。旅行支出総額の平均は1人18万3,236円だが、その中で買物代が占める割合は40%と、中国についで多いのも特徴で、日頃「偽物」に悩まされているため日本製品への信頼性は高い。
日本旅行へ行くと知った友人から、日本製の商品を買ってきてと頼まれることも多いという。特にハノイの人はプライドが高く見栄っ張りなところもあるので、日本製品=ブランド品を所持していると感じるそうだ。ひところ爆買いで話題になった中国人のショッピングと共通するものがある。
東南アジアで有数の親日国であるベトナム、上記の他にも、日本語熱の高まり、アニメの影響もあって、ますますの訪日が期待できる。
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