データインバウンド
【訪日外国人の傾向を知る】オーストラリア編:スノーリゾート人気で訪日数5年で2.5倍に、旅行支出は2位
2018.11.15
刈部 けい子訪日オーストラリア人と聞いて、スキー客を思い浮かべる方も多いかもしれない。インバウンドという言葉を頻繁に耳にするようになる前から、メディアでも話題になっていたし、長野県白馬村にはオーストラリア人の経営するペンションもある。
それではどのぐらいの数のオーストラリア人が実際に訪日しているのだろうか。東日本大震災の翌年2012年は20万6404人だったが、2017年には49万5054人と、5年間で2.5倍に増え、訪日客全体では6位のタイに次ぐ7位となっている。なお、1990年代~2000年代はオーストラリアを訪れる日本人(アウトバウンド)のほうがインバウンドより圧倒的に多かったが、2010年代に入ってその差が縮まり、2015年についに逆転した。
オーストラリア人は長期休暇で海外へ出かける人が多い。2017年の海外旅行先では、日本はアジアの中ではインドネシア、タイ、中国、シンガポールに続く5番目の選択肢(世界では8位)となっている。特に日本にはスキー目的で訪れる人が少なくない。観光庁の訪日外国人動向調査(2017年)では21%が日本でスキー・スノーボードをしたと回答している。
訪日旅行はオーストラリアの夏休み期間
オーストラリア人に日本のスキー場が人気なのは、1つ目に日本=パウダースノーとして雪質の良さが高く評価されており、初級~上級、若年層からファミリー客まで幅広い層にアピールしている点。2つ目に日本とオーストラリアは時差がほとんどなく(地域と季節により30分~2時間)、飛行時間10時間前後としても移動の負担が軽い点、3つ目に白馬やニセコのように英語が使える場所が多く、滞在がしやすい点、温泉などスキー以外の楽しみ方や、オーストラリアと比べると物価が安い点などが挙げられる。なお、成田・羽田空港への直航便利用の他、シンガポールやタイを経由して訪日する人たちも多い。
オーストラリア人が日本のウィンターシーズンに目立つのは、数字にも表れている。グラフをご覧になるとわかるが、オーストラリア人の訪日が多いのは12月と1月で、南半球のオーストラリアでは夏休みの時期だ。つまり、スキー目的でなくともこの時期は絶好の旅行シーズンといえる。また、次いで4月が多いのはイースター休暇の影響だろう。

長期滞在で旅行支出も2位
ここで訪日オーストラリア人の特徴を簡単に数字から見ていきたい。
*初訪日が56.1%で、欧米豪9市場のほぼ平均値。訪日客全体における初訪日の平均は42.3%。
*個人旅行が92.6%、訪日客全体の平均は76.2%。
*男性が63.3%で女性より多い。訪日客全体の平均は男性49.7%。
*平均泊数は13.2泊で、全20市場の平均9.1泊より多い。また、42.6%以上が14日間以上滞在する。
*訪日旅行の満足度は「大変満足」が83.1%で、全20市場平均51%をかなり上回る。
*一人当たりの旅行支出額は22万5845円で、全20市場で中国に次いで2位となっている。
(いずれも観光庁 訪日外国人の消費動向2017年による)

初訪日が過半数を占めるオーストラリア人だが、スキー客にはリピーターが多いと言われ、複数のスキーリゾートを回ったり、オーストラリア人が少なく設備の整っているスキー場の情報を求める客もいるという。
全市場で2位の旅行支出額の内訳をみると、娯楽サービス費1万4089円は全市場平均5,014円の3倍近くになっている。娯楽サービス費が多いということはいわゆるコト消費額が多いことを意味する。スキー客であればスキー場のリフト代、スキー用具レンタル代などがこの中に含まれている。
一般的に、アジア圏と比較すると、欧米豪では買物代よりも宿泊費のほうが多いが、オーストラリアもその例に漏れず、宿泊費は8万9060円と全体の約4割を占める。2週間以上滞在する人が全体の4割を超えるというのも旅行支出が多い要因でもある。一方で、買物代は3万7195円で、全市場平均の5万7154円を2万円ほど下回っている。
日本ならではの体験を楽しむ
都道府県別の訪問率をみると、羽田空港、成田空港のある東京都、千葉県に次いで、京都府、大阪府への訪問は多く、さらに広島県、長野県、神奈川県、北海道、岐阜県、山梨県など、いずれも全国籍平均を上回る訪問率となっており、日本に到着後、各地へ足を伸ばしているのがわかる。また、滞在中には、日本食を食べる、日本酒を飲む、日本の歴史・伝統文化体験、美術館・博物館訪問、日本の日常生活体験、日本のポップカルチャー体験などの割合が全体の平均より多く、日本でしかできない体験を楽しんでいるようだ。
オーストラリア人は全般にアウトドア好き、動物好きであり、日本語学習者が世界で4番目に多い国でもある。2019年のラグビーワールドカップを観戦に訪れる客も多数見込まれ、訪日客の少ない7月〜8月に誘客の余地もあることから、今度も訪日客数の増加が期待できるマーケットといえるだろう。
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