データインバウンド
ゴールデンスポーツイヤーズ到来! 中国・韓国・台湾の訪日客に聞いた「オリンピックは観戦予定?」
2019.01.07
刈部 けい子いよいよ2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2021年の関西ワールドマスターズゲームズ、と立て続けにスポーツ関連の大型イベントが多数控える「ゴールデンスポーツイヤーズ」に突入した。果たして、スポーツをきっかけとした訪日は見込めるのか。
新年1回目のデータインバウンドでは、訪日リピーターの多い中国、台湾、韓国の訪日旅行経験者に対して行ったアンケートから、彼らの旅行スタイルや、東京オリンピック・パラリンピックの観戦意向について見ていく。なお、アンケートは、2018年6月に、韓国・台湾・中国の過去1年間に訪日観光経験のある20~49歳の男女約1,000名に対して行った。
アンケート対象の中国・台湾・韓国に香港を加えた東アジア4市場からの旅行者は訪日客全体の7割超を占める。2018年は自然災害の影響もあって、東アジアからの旅行者の伸びは鈍ったものの、この4市場の11月までの訪日客数の累計は2,106万人で、74%近いシェアとなっている。近距離ゆえにリピーターも多い彼らは、どのような訪日旅行を楽しんでいるのだろうか。
まず、リピーターといえばFIT(個人旅行者)と考えがちだが、今回の調査結果からは、パッケージツアーを利用したことがある人が結構いることがわかった。欧米ではほとんどが個人手配であるのに対し、東アジアではまだ旅程が決まったパッケージツアーの利用が多く、中国では81.7%がパッケージツアーを利用したと回答している。
訪日回数別に見ても、1回目の訪日で56.9%だったのに対し、3〜6回以上でも40%を超える人がパッケージツアーを利用しているので、日本を何度も訪れていてもパッケージツアーを選ぶ人も一定数いることがわかる。
行動範囲が広い中国からの訪日客
訪問した都道府県では、全体で「大阪府」が47.3%、「東京都」が46.8%と高く、続いて「京都府」「北海道」「沖縄県」「九州各県」となっている。特に中国はどの都道府県も訪問率が高く、韓国や台湾からの旅行者と比べて、日本での行動範囲が広いことがわかる。
目的とした観光名所を自由に書いてもらったところ、中国は富士山を挙げる人が圧倒的に多かったのに対し、韓国は大阪城、東京タワー、清水寺、台湾は大阪城、富士山、東京スカイツリーとばらけた。
日本への観光旅行の満足度はどの国でも高く、「とても満足できた」「満足できた」とする人が95%前後を示した。また再訪したいかの質問には、全体で94.8%が「はい」と答えており、再訪意欲がどの市場においても高いことがわかった。
東京オリパラ観戦に対して高い意欲を示す中国、関心が薄い韓国
その一方で、2020年の東京オリンピック・パラリンピック観戦について尋ねると、3カ国で大きな差が出た。韓国、台湾は「行かない」「わからない」とする人が7〜8割を超えるのに対し、中国は72.3%が「行く(チケットを申し込む)」と回答したのだ。2018年のサッカーワールドカップ・ロシア大会でも、中国からの観戦客の存在が目立つなど、中国ではスポーツ観戦を兼ねた旅行も人気があり、今回の数字も納得がいくものといえるだろう。
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