データインバウンド
沖縄県のインバウンドウェディング、経済効果は約45億円
2019.08.13
刈部 けい子沖縄県が2018年の「沖縄リゾートウェディング」の実施組数を発表している。それによると、1万7115組が実施しており、国内組数の1万5159組に対し、いわゆるインバウンドウェディングと呼ばれる海外組数は1956組と全体の1割を超えていることがわかる。国内組、海外組とも2017年より微減となっているが、グラフを見てもお分かりの通り、2008年からの10年で海外ウェディングは30倍にも増えているのだ。
海外組は挙式、国内組はフォトウェディングが人気
ここで、「沖縄リゾートウェディング」の内容を見ていこう。そもそもこの名称は、県外および海外に在住する新郎新婦が、沖縄でウェディングを挙げることを目的に沖縄を訪れて行うウェディングのことを指す。この調査には、チャペルでのウェディングだけではなく、フォトウェディングやビーチ、レストラン、琉装ウェディング(琉球王朝時代の正装をまとっての挙式)も含まれている。
沖縄県のチャペルの数も挙式数の増加とともに右肩上がりで増えており、2010年には18カ所だったのものが、2018年には倍の36カ所となっている。もちろん挙式形態ではチャペルウェディングが最も人気で、全体の63%を占める。また、挙式はしないが沖縄の海や城跡などのフォトジェニックなロケーションで撮影する「フォトウェディング」も年々増加傾向にあり、全体の34%を占める。残りの3%がホテルやビーチなどでのウェディングとなる。
挙式割合で見ると、国内が64%、海外が83%と海外組は挙式する組が8割を超え、逆にフォトウェディングの割合では国内が36%で、海外が17%となり、国内組の割合が高い。
挙式の時期としては、10月(2245組)、11月(2165組)、4月(2111組)、 7月(1586組)の順に多く、逆に1月(732組)、8月(783組)、12月(960組)の順に少なかった。
海外の国・地域別で見ると、沖縄県が重点市場としている香港が前年より減少した(これは訪日客数でも香港はマイナス成長だった影響もあるだろう)が、それでも990組と海外では最多。続いて台湾、中国となるが、中国は前年比150%増という大きな伸びを示した。
香港で人気のリーガルウェディング
海外組数1956組の15.9%にあたる311組がリーガルウェディング(海外での現地の法律に基づいて挙式をすること。日本では、戸籍法に基づき婚姻届を市町村役場に届け出ることを指す)を実施しており、前年に引き続き香港カップルの需要が多い。これは香港では、リーガルウェディングを挙げると本国で宣誓式(婚姻登記所での手続き等)を行う必要がないこと、各市町村で発行される婚姻届受理証明書が重宝されることが挙げられる。
2018年のリゾートウェディングでは、新郎新婦以外にも親族・友人などの参加も含めて、24万2000名以上が沖縄県を訪れたと推計、この経済効果は244億5000万円以上とされる。内訳は、国内ウェディング客が約199億4000万円、海外客が約45億1800万円と試算した。国内組の参列人数は平均17.8名で、平均滞在日数は新郎新婦が3.4日、参列者は2.7日だったが、海外組に関しては、参列人数平均22.1名、平均滞在日数は新郎新婦が4.1日、参列者は3.7日と海外のほうが長く滞在している。
なお、JNTOでは昨年来ウェディング市場としての規模が非常に大きいインド市場へ向け、沖縄県へのウェディング旅行誘致のための取り組みを進めている。
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