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【訪日外国人数】2020年1月訪日客数1.1%減の266 万1000人、春節で東南アジアは2桁の伸び

2020.02.21

刈部 けい子

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日本政府観光局(JNTO)が発表した2020年1月の訪日外国人数は、前年同月比1.1%減の 266万1000人だった。2019年1月を約3万人下回り、これで4カ月連続で前年同月を下回ることになった。


韓国市場の減速止まず

1月の訪日外国人数を見ると、韓国市場の減速は依然続いており、全体数の減少の要因となった。2019年1月の韓国からの訪日客数は国別総数1位の77万9383人だったが、今年は前年同月比59.4%減の31万6800人と大きく落ち込んだ。

一方で、昨年は2月だった春節が今年は1月後半となったため、韓国を除く東アジア3市場は12月に引き続き2桁台の伸び、また東南アジア全6市場も2桁台の伸びを示した。特に、香港、マレーシア、フィリピン、ベトナムの伸び率は40%を超えた。

市場別総数では中国が最多の92万4800人。以下台湾、韓国、香港、アメリカと続く。

なお、日本でも感染の拡大が見られる新型コロナウイルス感染症により、中国市場を中心に海外旅行需要への影響が懸念されている。現に中国から日本への航空便は2月に入って減便が続いており、2月16〜22日の日本ー中国路線は7割減となる見込み。これにより2月の訪日客数の減少は避けられそうにない。また、JALは18日、台湾・韓国と日本を結ぶ航空路線も減便とすると発表している。

伸び率トップはフィリピン

前述したように東南アジアが大きく伸びており、全体の伸び率トップはフィリピンで、前年同月比48.9%増の5万3600人。以下、マレーシア、ベトナム、香港と続き、欧米ではロシアの33%増、カナダの29.6%増が目立った。カナダは春節休暇で旅行時期が前倒しになったのに加え、中国や香港から日本へ海外渡航先を変更したり、航空座席数の増加もあり、好調な伸びを示した。

オーストラリアは単月として過去最高を記録したが、これは冬の日本を楽しみに来日するオーストラリア人が多い上、パースー成田線の新規就航やシドニーー新千歳線の季節便の運航によって航空座席供給量が増加したことも要因となった。また、韓国とドイツを除く17市場(中国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、 ベトナム、インド、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、イタリア、ロシア、スペイン)では1月として過去最高を記録した。

 

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