データインバウンド
2021年1~3月 世界の観光客数、前年比マイナス1億8千万人の83%減。5月以降は緩やかな回復傾向も—UNWTO
2021.06.08
UNWTO(国連世界観光機関)の最新データによると、新型コロナウイルス感染症の影響で今年第1四半期(1月〜3月)の世界の観光客数(国際観光客到着数)は、前年同期と比べると83%減少した。人数でいえば1億8000万人も減っていることになる。特に打撃が大きいのは、前年同期比94%減のアジア・太平洋地区で、2019年同期と比べると97%減となっている。
しかしながら、UNWTOのツーリズム専門家委員会による最新の調査では、5月〜8月にかけてゆっくりとした回復傾向がみられるとしており、いくつかの主要市場でワクチン接種が加速し、特にEUのデジタルグリーン証明書が同地域の観光業の回復に希望を与えているという。
UNWTOのポロリカシュヴィリ事務局長は、「相当数のペントアップ・デマンド(繰越需要)があり、ゆっくりとだが回復傾向にある。それにはワクチン接種が欠かせないが、北半球の夏季の旅行シーズンからの回復を期待するのなら、検疫をさらに受けやすく手頃な価格にすると同時に各国の連係が欠かせない」と話した。
とはいっても、今年中に回復が始まると考えている人は少なく、全体の60%が2022年以降の回復を見込んでいる。1月の調査より10ポイント増加したが、これは収束したかと思えば再度拡大が始まる地域があるなど、いまだにまったく予断を許さない状況であるためだ。
また、半数近くが2019年の水準に戻るのは2024年かそれ以降と考えていることもわかった。これも1月の調査時よりも増えている。つまり、それだけ回復が遅れているということだが、専門家委員会は引き続き厳しい渡航制限が取られ、各国間における渡航条件や衛生規範に関するプロトコルの調整不足が、観光業の回復に大きな障害となっていると指摘する。
UNWTOの世界観光指標(ワールド・ツーリズム・バロメーター)によると、パンデミックによる経済的打撃も大きく、2020年の国際観光収入は、実質ベースで64%減少し、世界全体の輸出額は4%以上減少したという。
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