データインバウンド
デルタ株がランキングに影響 世界一安全な国ランキング、上位は欧州勢がほぼ独占 —2021年8月
2021.09.07
アメリカの大手総合情報サービス会社ブルームバーグが毎月発表する、世界53の国と地域の「COVIDレジリエンス(耐性)ランキング」。新型コロナウィルスが社会・経済に及ぼす打撃を最小限に止め、効果的な対策を行っている国・地域はどこか。8月のランキングを見てみよう。
今回のランキングを揺るがしたのは、変異株による影響だ。これまで長くトップの座にあったニュージーランドは、前月の3位から29位へと大きく後退。政府は、感染力の強い変異株の猛威を防ぎきれず、厳しいロックダウンを課すこととなった。
迅速にワクチン接種を進め、春から初夏にかけて上位にランクインしていたアメリカとイスラエルも順位を下げた。デルタ株による新規感染者の拡大、ワクチン接種後の感染、ワクチン未接種者の重症化がその要因だ。
デルタ変異株のまん延が原因で、日本も前月の26位から33位へと順位を落とした。厳しい制限を課し感染拡大防止に努めてきた中国、ベトナムも変異株による感染拡大にさらされている。
一方、今月のランキングで底力を見せたのが欧州勢で、10位までのうち9カ国を欧州が占めた。その後押しをしたのが、ワクチン接種による「感染状況の改善」と「旅行再開」だ。2か月連続で1位となったノルウェーでは、国民の6割にワクチン接種を行い、死亡率を低く抑え、ワクチン接種済みの旅行者に国境を開放している。前月の12位から2位に浮上したオランダも、ワクチン接種、低死亡率、旅行再開を推し進める。感染者数は過去最多まで急増したものの、経済再開が滞ることなくデルタ株の流行を乗り切ろうとする。ワクチン接種率が高い国々でデルタ株が最終的にどのような影響を及ぼすか。それはまだ明らかにはなっていないものの、オランダの例は明るいシナリオとなるかもしれない。
出典:Bloomberg「COVIDレジリエンス(耐性)ランキング」
最後に下位グループを見てみよう。最下位の53位はマレーシア。そのあと下からフィリピン、インドネシア、ベトナム、タイと、下位5カ国には東南アジア諸国が並んだ。マレーシアは国民のほぼ半数がワクチンを接種したものの、過去1か月の10万人あたりの新規感染者は世界最多クラスだ。
下位グループの多くを占めるのはワクチン接種が進まない発展途上の国・地域。一方、豊かな国は国民への3回目の接種を計画し、この不平等の差は今後さらに開きそうだ。
ワクチンによって、死者数を抑えてデルタ株を撃退できるか。もしくは、新型コロナウィルスと共生する戦略が想定外の犠牲を生むのか。引き続き、来月のランキングにも注目したい。
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