データインバウンド
1年以内に国内旅行4割が計画、海外旅行は1割。男女とも20代が積極的 —JTB総研調査
2022.05.09
新型コロナウイルス感染症の世界的大流行により、自由な旅行が制限されて丸2年が経過した。ワクチン接種が進み、重症化リスクは減ったものの、変異株が登場する度に感染拡大の波や行動規制が繰り返されている。
株式会社JTB総合研究所は、コロナ禍における日本人の旅行意識調査を定期的に実施してきたが、今回11回目となる「新型コロナウイルス感染拡大による、暮らしや心の変化と旅行に関する意識調査(2022年4月)」の結果を発表した。調査はオミクロン株の感染拡大による、まん延防止等重点措置が解除された3月25日~31日に実施され、1年以内に国内旅行を予定している全国20歳以上の男女7571人を対象にインターネットアンケート形式で行われた。
(図・表出典:株式会社JTB総合研究所「コロナ禍におけるこれからの日本人の海外旅行意識調査」より)
国内・海外旅行ともに男女20代が最も意欲的
アンケートの結果をみてみると、今後1年間に国内旅行を予定している人は全体で39.2%と、前回調査から3.4ポイント増加した。世代・男女別にみると最も意向が高いのは男女20代(46.5%、50.2%)で、最も低いのは女性50代の31%だった。全体的に男性のほうが国内旅行に意欲的な傾向が表れており、同じ60歳以上を比べてみても男性が44.4%に対し、女性は31.5%と10%以上の差がついた。


海外旅行に関しては、国内旅行よりも意向は低く、1年以内に予定している人は全体で10.6%に留まった。ただ、世代別にみると、男女20代では20%いるのに対し、女性50代と60代では3%台と大きな差が出た。若い世代ほど海外旅行にも積極的であることがわかった。

出発時期は4-6月が半数、シニア層ほど積極的
1年以内に旅行意向のある人に出発時期を聞いたところ、4~6月が50.5%、7~9月は30.1%、10~12月は15.7%だった。まん延防止等重点措置が解除されたことで、すぐにでも旅行に行きたい気持ちの表れから4~6月と答えた人が多かった。ただ世代別にみると、4~6月は若い世代ほど少なく、年齢が上がるにつれ多くなる傾向となっており、特に女性60代以上では60.9%にのぼった。一方、10~12月は全体では15.7%と回答者は少なかったが、男性30代では24.8%もいて、秋の行楽シーズンも旅行需要がありそうだ。

旅行予約「6割」がこれから、旅行実施は慎重な姿勢
国内旅行の申込み状況を見ると、58.5%が「予約はまだしていない・計画している段階」と答えた。予約済と回答した人のうち、まん延防止等重点措置が解除となる3月21日より前か後かで比べてみると、解除前に予約済みの人が多かった。
特に男女20代でその傾向が強く、20代男性では解除前に予約済みが42.3%に対し、解除後が23.1%、20代女性では解除前が42.0%に対し、解除後が20%と2倍の差が出ている。まだ先の旅行予定であっても若い世代は予約のアクションが早いことがうかがえる。
一方、男女50代、男性60歳以上はほぼ7割が「予約はまだしていない・計画している段階」となっており、この層は4~6月に旅行予定ありと回答した割合が高いものの、まだ予約に至っていないケースが多い結果となった。年齢層が上のほうが旅行意欲はあるものの、直前まで慎重になっている様子がうかがえる。

遠出よりも、近場の国内旅行が主流
今後予定している国内旅行の行き先については、関東が24.9%、関西16.3%、北海道13.1%の順に多く、いずれも居住地域の域内を選ぶ割合が高かった。2021年10月に実施した前回調査と比べると、北海道が+1.9ポイント、東北が+0.8ポイント、関西が+2.1ポイント、中国・四国が+0.7ポイント上昇した。商圏の大きな居住地域でみると、関東からは北海道、関西が前回調査から上昇し、中部からは関東、関西、中国・四国が、近畿からは関東、中国・四国が上昇した。

前回調査時よりも夫婦旅行は上昇、三世代旅行は下降
国内旅行するときの同行者は、夫婦のみと回答した人が前回調査よりも3.2ポイント増えて、25.3%と最も多かった。次いで、子供連れの家族旅行が20.9%、友人・知人が14.7%、自分ひとりが14.0%だった。友人・知人と回答した人は前回よりも0.4ポイント増加したものの、全体的にみると同行者の範囲や人数が広がったとは言えず、いまだ家族を中心とした少人数での旅行が主流となっている。

今回の調査はオミクロン株の感染拡大による、まん延防止等重点措置解除後の3月25日に実施されたが、一気に旅行者や外出者が急増することに不安を感じると回答した人が全体の3割にのぼり、まだまだ慎重な姿勢がうかがえる。夫婦や家族などごく少数の人と、近場の旅行を楽しみたいという旅行者の姿が浮き彫りとなった。ただ、旅先に関しては東北と沖縄以外の各地域では、域内旅行の割合が前回調査時よりも減少しており、今後は旅行範囲の広がりが期待できそうだ。
株式会社JTB総合研究所による「コロナ禍におけるこれからの日本人の海外旅行意識調査」の結果はこちら
最新のデータインバウンド
-

2026年2月訪日宿泊2%増の1404万人泊 台湾・韓国伸長、東アジア需要増で地方分散強まる (2026.05.01)
-

AI時代にリアル回帰が加速、約8割が現地体験を重視。7割超がオンラインを起点に旅行行動へ (2026.04.30)
-

2025年台湾観光統計、出国者数1894万人で過去最多 訪日673万人に拡大 (2026.04.28)
-

アジア太平洋のインバウンド、2028年に最大7.6億人と予測も1.6億人の下振れ余地 (2026.04.23)
-

2026年1-3月インバウンド消費2.3兆円、中国半減で台湾首位 欧米豪は単価40万円超えも (2026.04.22)
-

2026年3月の訪日客361万人 累計1000万人越え。桜需要で欧米・東南アジア伸長、中東は3割減 (2026.04.16)
-

2025年中国観光統計、訪中3517万人で過去最高 インバウンド完全回復 (2026.04.13)
-

アジアの旅行支出意向、欧米比50%高。AI活用9割で行動が変化 ー世界20市場の旅行意向調査 (2026.04.06)
-

2026年1月訪日宿泊15%減の1283万人泊、中国62%減も地方は堅調 (2026.04.01)
