データインバウンド
2022年7月世界の航空需要 力強い復調続く、ブラジル国内線はパンデミック前超える
2022.09.13
IATA(国際航空運送協会)が発表した2022年7月の世界の航空需要によると、航空機を利用した旅行は世界各地で引き続き力強い回復を見せているとのことだ。総RPK*は前年同月比58.8%増で、パンデミック前の2019年同月比では74.6 %まで戻っている。
(*RPK:有償旅客が搭乗して飛行した総距離=revenue passenger kilometers:有償旅客数×輸送距離)
IATAのウィリー・ウォルシュ事務局長は、「7月の業績は引き続き好調で、一部の市場はパンデミック前の水準に近づいている。地域によっては、人々の旅行再開のスピードに対応できず乗客数を制限していたにもかかわらずだ。回復にはまだ時間がかかると思われるが、北半球では比較的旅行需要が低調な秋から冬に向けて、よい兆候が見える」と話した。
アジア太平洋の国際線で改善続くも世界水準とは差
7月の国際線RPKはすべての地域で改善されており、世界平均で前年同月比150.6%増、2019年同月比では32.1%減だった。
前年同月比では、アジア太平洋が先月に続き528.8%増と、世界のなかで最も高い成長率を記録した。とはいえ、2019年同月比では64.7%減と、まだ他の地域に後れを取っている状態だ。アジア太平洋と他の地域を結ぶルートと、中米-欧州間などすでにパンデミック前の水準に戻っている他のルートと比べるとその差は大きい。
欧州地域の国際線RPKは前年同月比115.6%増で、先月よりは伸び率は縮まったものの、2019年同月比では8割まで戻っている。また、中南米と北米地域の国際線RPKはそれぞれ前年同月比199.4%増と129.2%増を記録。北米の場合は2019年の水準の87.3%で、前月に続き全地域の中で最も良い結果となった。
中東とアフリカの国際線RPKも先月より改善されている。
中国国内線で大きく改善、日本も順調に回復
7月の国内線RPKの世界平均は、前年同月比4.1%増となり、2019年同月比では13.1%減と、パンデミック前の9割近くまで戻ってきた。
6月に続き、7月も目立った動きを見せたのはアジア太平洋地域、なかでも中国市場だった。国内線RPKは2019年同月比30.5%減で、6月よりも19.9ポイント改善。中国市場はこれまでも旅行制限緩和のたびに、高い旅行需要が発生しており、今後もさらなる緩和があれば早期の回復が期待される。
また、アメリカの国内線RPKは安定的に回復しており、2019年同月比8.4%減でパンデミック前の水準まで戻るのは時間の問題だ。
同じく好調のブラジルの国内線RPKは2019年同月比0.9%増となり、パンデミック前の水準を超えている。
日本の国内線RPKの回復も加速しており、2019年同月比で7月は6月よりも11ポイントアップの、11.3%減まで戻してきた。日本航空が発表した7月の実績によると、国内線旅客数は前年同月比92.6%増の249万7467人。全日空の7月の国内線旅客数は前年同月比2.21倍の242万7761人だった。
最新のデータインバウンド
2024年1-3月期インバウンド消費額1兆7505億円、3期連続で過去最高を更新。1人当たり支出20万9000円 (2024.04.25)
2023年人気の美術館・博物館トップ100発表、上位施設でオーバーツーリズム対策進む (2024.04.22)
【訪日外国人数】2024年3月訪日客数308万1600人、単月で300万人突破は初。桜とイースター休暇で伸びる (2024.04.18)
2024年世界と日本の旅行トレンドの違い、円安・物価高が与える影響は? ーアメリカン・エキスプレス調査 (2024.04.15)
ミシュランガイド京都・大阪2024発表、掲載数過去最多。京都は星付き100軒に (2024.04.11)
2024年2月 世界の航空需要コロナ前から完全回復、国際線初の2019年水準超え。アジアの回復著しく (2024.04.05)
2023年の中国アウトバウンド旅行先ランキング、人気の観光スポットはどこ? 日本の順位は ーTrip.comレポート (2024.04.04)
【宿泊統計】2024年1月外国人延べ宿泊者数22%増の1124万人泊、中国とロシア以外は2019年同月を上回る (2024.04.01)
2023年世界のビザ開放度はコロナ前水準へ、デジタルノマドビザ導入は50カ国に-UN Tourism (2024.03.28)