データインバウンド
【訪日外国人数】2022年訪日客数コロナ前比1割の383万1900人、12月は5割まで回復
2023.01.19
やまとごころ編集部日本政府観光局(JNTO)は、1月18日に2022年12月の訪日外国人数*(推計値)を発表、その数は137万人にのぼった。11月の93万4500万人からは約1.5倍、43万5500人の増加となり、コロナ禍以降初めて100万人を突破。新型コロナウイルス感染症の影響が出る前の2019年同月比で5割まで回復した。
これにより2022年の年間訪日客数は383万1900人となった。新型コロナウイルス感染症拡大前の2019年の訪日客数3188万人と比べると、1割強回復したことになる。
韓国からの観光客が急増
12月の訪日数を市場別にみると、トップ5は韓国45万6100人、台湾17万200人、香港14万1300人、アメリカ10万9500人、タイ8万3000人だった。11月と比べると香港とアメリカの順位が入れ替わったが、トップ5の顔ぶれは変わらなかった。
1位の韓国は10月以降、顕著な回復をしており、調査対象の22カ国・地域のうち、2019年同月比で唯一、プラスに転じている。ただし、2019年7月以降、日韓関係の悪化により、訪日韓国人旅行者数が減少傾向にあったため、2019年同月比を見る際には留意しておきたい。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大以降、日本路線の航空座席供給量は減少していたが、ここに来て回復途上にある。また、多くの市場で、物価の高騰や航空券代の高騰、航空・旅行会社を取り巻く人手不足等の課題が見受けられる。さらに、欧州地域ではウクライナ情勢に伴う飛行ルートの変更によってフライト時間が増えており、訪日旅行の懸念材料となっているようだ。
同日に発表された2022年10月の訪日客数(暫定値)は49万8646人で、そのうち32万6999人が観光客**だった。
なお、12月の日本人のアウトバウンドは11月よりも5万2900人増え、43万2100人となった。2019年同月比74.8%減で、前年同月比では782.9%増だった。これまでは8月の38万人が最高だったが、12月はそれを5万人ほど上回った。
年間訪日客数はコロナ前の10分の1
2022年の1年間を通して振り返ると、日本政府が春から段階的に水際対策を緩和したため、5月以降は毎月2万人ずつ増えてきている状況だったが、10月に個人の海外旅行を解禁するなど本格的な受け入れ再開をしたことで、11月と12月は43万人ずつの増加と躍進。2022年の年間訪日客数は、過去最多を記録した2019年の3188万人と比べると、1割強まで回復した。ちなみに、2021年の訪日客数は年間24万人だったので、それと比べると、1458.6%の伸びと大幅に増加している。
国・地域別にみると、年の前半はベトナムからの訪日客の回復がめざましく、後半は韓国が一気に躍進した。年間を通じて、もともと訪日リピーターが多い韓国、香港、台湾、ベトナム、タイ、シンガポール、アメリカなどが毎月上位を占めることが多かった。
特にベトナムは5月に2019年比で100%を記録するなど、調査対象の22カ国・地域のうち、最も回復した市場だ。一方、ヨーロッパ市場は回復が低調で、2019年比で8割~9割減のところがほとんどだ。ただ、日本が本格的なインバウンド受け入れを解禁した10月以降はすべての市場で毎月急激な増加数を示しており、この流れが2023年も続くことを期待したい。
なお、出国した日本人数は、2019年比86.2%減の227万人1700人で、パンデミック前の回復率は2割未満となっている。なお、2021年比では441.1%だった。
*JNTOによる訪日外国人とは、法務省集計による外国人正規入国者から、日本を主たる居住国とする永住者等の外国人を除き、これに外国人一時上陸客等を加えた入国外国人旅行者を指す。駐在員やその家族、留学生等の入国者・再入国者は訪日外国人数に含まれるが、乗員上陸数は含まれない
**この場合の観光客とは短期滞在の入国者から商用客を引いた入国外国人で、観光目的での渡航が認められていない状況下でも、統計上は一定程度の人数が「観光客」に振り分けられカウントされている。
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