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LGBTQ+トラベラーが安全に旅できる国はどこ? ドイツの専門旅行ガイド「ゲイ・トラベル・インデックス2023」発表

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プライド月間である6月にちなんで、欧州のメディアで発表されているLGBTQ+に関するランキングを紹介するシリーズの第二弾は、「ゲイ・トラベル・インデックス」の2023年度版を基に、LGBTQ+トラベラーが安心して旅できる国についてみていく。

 

LGBTQ+旅行者が安全に旅行する指標「ゲイ・トラベル・インデックス」

ドイツのゲイ専門旅行ガイドを出版するスパルタカス」は、LGBTQ+の観光客が安全に旅行できるようにと、2012年より「ゲイ・トラベル・インデックス」を公開している。これは、世界各国・地域におけるレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、インターセックス、クィアの人々の状況に基づく指標を用い、203の国や地域を比較したもの。指標は同性婚から、反差別法、プライドパレードの禁止、ヘイトクライム、同性愛者への死刑制度まで17あり、ポジティブな動きはプラスポイント、ネガティブな動きはマイナスポイントとしてカウントしている。

ただし、死刑制度に関しては例外で、同性愛行為に対する死刑が法律で定められており、施行されている場合はマイナス5ポイント、法律で定められているが、執行されていない場合はマイナス1ポイントとなり、これらの国はリストの最下位に位置する。

 

LGBTQ+コミュニティにとって、最も安全に旅行できる国は?

このほど発表された2023年ランキングでは、LGBTQ+の旅行者にとって最も安全でオープンな国として、マルタが世界1位になった。差別禁止法、トランスジェンダーの権利に対する姿勢、養子縁組が認められていることなど、インクルーシブな法律と権利でポイントを獲得していることに加えて、反同性愛法、宗教的影響、プライドの禁止などといった差別による減点がなく、唯一13ポイントを獲得した国である。ただし、現地の人々の敵対心についてはマイナス1ポイントとなっている。

次いでカナダとスイスがそれぞれ12ポイントで2位、オーストラリア、デンマーク、ニュージランド、ポルトガル、ウルグアイが11ポイントで4位と高い評価を得ている。また、ドイツ、アイスランド、スペイン、イギリスが10ポイントで9位だった。

その一方で、アメリカは5ポイント(35位)と、南アフリカ、スロベニア、プエルトリコ、メキシコ、ギリシャ、コスタリカ、ブラジルと並んで、やや低い評価となっている。またアメリカの州別ランキングでは、カリフォルニア州、ニューヨーク州、ワシントン州、コロラド州が最もオープンな州としてランクインした。

 

日本はマイナス2ポイントで62位、エリアによって大きい差

日本はマイナス2ポイントで62位だった。トランスジェンダーの権利に対する姿勢やLGBTQ+マーケティングでプラスとなるも、同性婚、反同性愛法などで減点があった。

ランキングが最も低いのは、サウジアラビア、イラン、チェチェン共和国、アフガニスタンでそれぞれマイナス19ポイントとなり、LGBTQ+の旅行者にとっては危険な国であることを示している。

下の世界地図を見ても分かる通り、中東と北アフリカは、LGBTQ+の旅行者にとって最も安全でない地域であり、中南米はアジアの多くの地域よりも一般的に歓迎されていることがわかる。アジアでは唯一台湾が例外で高得点(9ポイント、13位)を獲得。インドは2021年の1ポイントから2023年には4ポイント(43位)に改善され、地図上では薄緑色で表示された。一方、マレーシアはマイナス13ポイント(188位)と低く、インドネシアも原理主義の影響を受けた新しい刑法を受けてマイナス11ポイントとなり、117位から159位へとランクダウンした。

▶︎LGBTQ+トラベラーにとってベストな国とワーストな国
(最高ポイント+13[濃い緑色]、最低ポイント-19[紫色])

(出典:Spartacus International Gay Guide、図版:statista

レポート作成者は同性婚を認めることについて、当初はLGBTQ+コミュニティにしか影響を与えないものかもしれないが、平等への一歩は、社会的受容への一歩であり、旅行者にも直接的な影響を与えるものだと言及。このランキングはLGBTQ+コミュニティが社会の一部として受け入れられ、歓迎されている国への旅行を考えている人や、抑圧されている現地のコミュニティと対話するために意識的にその国への旅行を考えている人など、あらゆる旅行者を念頭に置いていると述べている。

 

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