日本政府観光局（JNTO）が7月19日に発表した2023年6月の訪日外国人数*（推計値）は、207万3300人だった。新型コロナウイルス感染症の世界的大流行で外国からの観光客が激減した2020年2月以降、初めて200万人を突破した。2019年同月比では72%まで回復した。

これで、2023年1月から6月の上半期の累計は1071万2000人となり、1660万人となった2019年同期比で65%近くまで戻ってきた。

米州、豪州、東南アジアなど8カ国・地域で2019年比プラス

6月の訪日客数を市場別にみると、1位は韓国54万5100人で、次いで台湾38万9000人、アメリカ22万6800万人、中国20万8500人、香港18万6300人と続いた。中国と香港の順位が入れ替わったものの、トップ5の顔ぶれは5月と同じだった。

今回の調査対象23カ国・地域のうち、米州、オセアニア、東南アジアなどで、コロナ禍前の2019年同月比を上回る好調な回復をみせている。2019年比プラスとなったのは、アメリカ、カナダ、メキシコ、オーストラリア、シンガポール、フィリピン、ベトナム、中東の8カ国・地域だった。ロシアと中国を除けば、そのほかの国、地域はおおむねコロナ前の8～9割程度まで戻ってきている。

また、国際線定期便に関しては、3月末～4月頭にかけて集計された2023年夏ダイヤ時点でコロナ禍前の約6割まで運航便数が回復しているが、その後も東アジアを中心に増便・復便が続いている。

なお、6月の日本人のアウトバウンドは5月よりも約7万人増え、70万3300人だった。ただ、2019年同月比では53.8%減とまだ半数程度回復にとどまっている。1月から6月の累計は361万4200人となり、2019年同期間の62.1%減だった。

*JNTOによる訪日外国人とは、法務省集計による外国人正規入国者から、日本を主たる居住国とする永住者等の外国人を除き、これに外国人一時上陸客等を加えた入国外国人旅行者を指す。駐在員やその家族、留学生等の入国者・再入国者は訪日外国人数に含まれるが、乗員上陸数は含まれない。