データインバウンド
米旅行雑誌「2023年世界の人気都市トップ25」発表、京都がトップ3に返り咲く。メキシコ5都市がランクイン
2023.08.07
やまとごころ編集部アメリカの大手旅行雑誌「Travel+Leisure(トラベル・アンド・レジャー)」が恒例の「ワールドベストアワード」調査の2023年版を発表。「世界の人気都市トップ25」では日本から京都、東京、大阪がランクインした。
同誌は毎年、ワールドベストアワードのアンケートを実施し、読者に世界の都市、島、クルーズ船、スパ、航空会社などについての旅行体験を聞いている。今回の調査は2022年10月24日〜2023年2月27日に行われ、16万5000人近くの読者がアンケートに回答したが、これはコロナ禍前の投票数を25%近く上回ったという。世界の各都市は観光名所やランドマーク、文化、食べ物、親しみやすさ、ショッピング、総合的な価値について、「素晴らしい」「平均以上」「平均」「平均以下」「悪い」の選択肢が用意され、最終的なスコアは、これらの回答の平均値となる。それでは早速トップ25に選ばれた都市を見ていこう。
首位にランクインしたメキシコ、5都市がランクイン
1位になったのは2年連続でメキシコのオアハカだった。コロニアル風のカラフルな街並み、おいしい料理、メスカル酒で有名なこの街はこれまでも読者に人気があったが、必ず訪れてほしいレストランやカクテルバーに加え、新しくできたホテルなどがトップを維持するのに貢献したという。ある読者はオアハカについて 「世界で最もクールな都市のひとつ」とコメントした。
メキシコは他にもサン・ミゲル・デ・アジェンデ(5位)、メキシコシティ(6位)、メリダ(16位)、グアダラハラ(23位)と、合計5都市が入り、読者が最も好む国と言えるだろう。
僅差で2位に入ったのは2021年2位、2022年10位のインドのウダイプルだった。海外からの旅行者がインドに戻り、コロナ禍に開業したラッフルズ・ウダイプルをついに目にするチャンスを得たことで、インド西部にあり、湖を見下ろす宮殿でも有名なこの都市がランクを駆け上がったのは驚くことではないという。ある読者はこの都市の魅力を「とても、とても美しい街」とコメントした。インドは他に、ムンバイが10位に入った。
京都3位に返り咲き、日本から3都市ランクイン
2022年14位だった京都が3位にジャンプアップ。「東京では、観光客が見つけやすいように見どころが開けたところに広がっているが、京都ではそうした魅力的な場所が、狭くて魅力的な路地にひっそりと佇んでいる」との紹介があり、読者のコメントには、「世界一の食べ物を味わえる」「ヨーロッパやアメリカの文化とは全く異なる多くの歴史を持つ、信じられないような名所旧跡がある」などがあった。京都は10年連続ランクインしたことで、ワールドベストアワードの殿堂入りを果たした。
日本からは他に、「エネルギッシュな首都でミシュラン星付きのラーメン店がある」東京が7位、「公共交通機関が充実し、英語はあまり通じないがあたたかく迎えてくれる」大阪が25位にランクイン。3都市がトップ25に顔を揃えたのは前述のメキシコにつぐ、2番目の多さだ。
他に複数都市がランクインしたのはインド(ウダイプル、ムンバイ)、イタリア(フィレンツェ、ローマ)、タイ(バンコク、チェンマイ)、ポルトガル(リスボン、ポルト)だった。
長距離フライトの都市がランクアップ
今年の世界人気都市トップ25と昨年のランキングを比較すると、トップ5に若干の動きがあった。昨年イスタンブールとフィレンツェの2都市が入ったヨーロッパが後退し、アジアの2都市がランクアップ。これは日本やインドなど長距離フライトで行く都市に旅行者が戻っていることを示している。
なお、読者のコメントを見ると、今年の旅行者が最も関心を持ったのは、地元の人々の歓迎ぶり、おいしい食事、安全性、リーズナブルな価格、そして絵に描いたような自然やルネッサンス建築などに代表される美しい景色だったようだ。
また、「ワールドベストアワード」の他のカテゴリーでは、世界の人気航空会社トップ10で全日空が5位、日本航空が7位、人気空港トップ10で羽田空港が6位、成田空港が10位、人気ホテルトップ100で京都のHOTEL THE MITSUI KYOTOが74位、フォーシーズンズホテル京都が100位に入っている。
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