データインバウンド
2023年8月世界の航空需要 95.7%まで回復、国内線は5カ月連続で2019年水準を上回る
2023.10.10
やまとごころ編集部IATA(国際航空運送協会)が発表した2023年8月の世界の航空需要によると、総RPK*はパンデミック前の2019年同月比で95.7%まで回復、前年同月比では28.4%増となった。
国際線RPKはパンデミック前の88.5%まで回復したが、地域によって回復度に差が出ている。また、国内線RPKは2019年同月比9.2%増と、5カ月連続で2019年の水準を上回った。
(*RPK:有償旅客が搭乗して飛行した総距離=revenue passenger kilometers:有償旅客数×輸送距離)

欧州の国際線は夏休みにも関わらず停滞気味
国際線RPKは全体で回復基調を維持してはいるものの、5月以降は停滞傾向にある。8月は2019年同月比11.5%減となり、前月の伸び率を下回った。
欧州の勢いはここ数カ月で弱まっており、2023年8月は2019年同月比9.8%減と、長期休みのシーズンにもかかわらず、7月の数字を下回った。過去の季節的傾向と比べて、珍しいパターンと言える。
一方、アジア太平洋地域の国際線RPKは前年比で倍増、2019年同月比ではまだ24.5%減だが、搭乗率は2019年同月を1.4ポイント上回っている。中国では国際線の回復が国内線よりだいぶ遅れているが、需要が徐々に伸びれば、アジア太平洋地域はさらに回復が進むだろう。
アフリカと中東は、今年序盤からの好調さを維持し、パンデミック前の水準までもう一息というところまで来ている。
北米は引き続き好調で、8月の国際線RPKは2019年同月比0.6%増となった。これで、4月以来5カ月連続で、パンデミック前を上回った。また、中南米は8月に初めて2019年同月比でプラスに転じた。欧州と南北中米、欧州と中東を結ぶ路線のRPKは引き続き好調に推移している。

日本の国内線、8月は台風の影響でマイナスに転じる
8月の国内線RPKは2019年同月比で9.2%増となり、4月以降連続してパンデミック前の水準を上回った。特に中国はこの数カ月で大幅に増加しており、8月も2019年同月比20.8%増となった。
インドの国内線RPKは7カ月連続で2019年の水準を上回り、8月は6.7%増。国内の航空会社の直近のデータからは、インドの国内線がパンデミック前の成長傾向に戻ったことがわかる。
アメリカやブラジルでも、国内線RPKはパンデミック前を上回り、好調を維持している。
8月の国内線で、2019年の水準を下回ったのはオーストラリアと日本だった。日本の場合は前月のプラスから一転、9.1%減となったが、これは台風6号の影響で西日本を中心に航空便の欠航が相次いだためだ。

今後の焦点は、CO2排出量ゼロへの動き
IATA事務局長のウィリー・ウォルシュはこの結果を受け、次のように話している。
「第4四半期に入り、航空需要は2019年の水準にほぼ回復している。ただし、焦点は、乗客数や便数が元に戻ることではなく、2年以上にわたって人為的に抑制されてきた企業や個人の需要を満たすことだ。パンデミックで飛行機が飛べなくなり、経済的、社会的、個人的な損失を目の当たりにしたことから、この業界は2050年までにCO2排出量をゼロにすることで持続可能で長期的な未来を確保しようと決意している。これは、脱炭素化の方法について議論された第1回IATA世界持続可能性シンポジウム*で明らかになったことだ。1年後、その進捗状況に注目したい」
*10月3~4日にスペインのマドリードで初開催された。このシンポジウムでは2050年までにCO2排出量をゼロにするという航空業界の公約を達成するために必要な行動に焦点を当て、議論が交わされた。
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