データインバウンド
2024年の4つの旅行トレンド「スポーツ観戦」「一人旅」「フレキシブルな旅」などーアメリカン・エキスプレス調査
2024.03.19
やまとごころ編集部アメリカン・エキスプレスが2024年の旅行トレンド「2024 Global Travel Trends Report」を発表した。それによると、今年の旅行先を選ぶ際に決め手となるトレンドは、「スポーツ観戦」「大規模な旅行」「一人旅」「フレキシブルな旅」の4つであることがわかった。
調査は、2024年1月31日~2月8日の間に、少なくとも5万ドル(約750万円)以上の収入があり、年に1回以上旅行する成人で、米国2005人、オーストラリア1007人、カナダ1002人、英国1002人、日本1002人、メキシコ1006人、インド1005人を対象にオンラインで行われた。
まずは、2024年の旅行全般について聞いたところ、2023年の旅行支出と同等、あるいはそれより多く消費すると回答した人が84%いた。また、89%はクレジットカードのポイントや航空会社のマイレージなどを使って旅する「トラベルハック」であると答えている。さらには77%の回答者が、旅行代金よりも自分が納得できる経験ができるかどうかが大切と答えた。
それではここから、それぞれのトレンドを見ていこう。
お気に入りのチームや選手を生で見たい
4つのトレンドのうち、1つ目の「スポーツ観戦旅行」は、今の時期、読者の方にも最もピンとくるものではないだろうか。今年1月に、大谷やダルビッシュら日本人選手が所属する大リーグのチーム同士の開幕戦が3月にソウルで行われることが発表されると、日本からのソウル観戦ツアーへの問い合わせが殺到したというニュースも記憶に新しい。世界でも、今年夏のパリ五輪や、ドイツでおこなわれるユーロ2024の観戦を予定している人も多いようだ。
今回の調査では、58%が今年スポーツ観戦を目的とした旅行に興味があると答えたが、MZ世代では67%となり、より興味を持っていることがわかった。また、すでにスポーツ観戦旅行の予定がある人は37%おり、そのうち75%は、旅行時間が3時間以上、38%が6時間以上かかっても構わないと答えている。
さらに58%はサッカー、バスケットボール、F1の観戦を予定している。最近、アメリカでのF1人気が高まっており、2023年からは3都市(マイアミ、オースティン、ラスベガス)で開催されるようになった。
また、回答者がこの夏スポーツイベントのために旅行を予定している都市のトップ5は、ニューヨーク、マイアミ、ロンドン、ラスベガス、パリだった。
日常生活とかけ離れた大規模な旅行
人々は、例えば特別なイベントを記念するものであったり、ウィッシュリストでずっと夢見てきた旅先であったりと、これまでに経験していない「大規模な旅行」を考えるようになった。
回答者の65%が、2024年にはこれまでよりも大規模な旅行に興味があると答えた。回答者が思い描く旅行の中の一つに、人里離れた場所で、それだけに没頭できる冒険がある。また、複数の国を訪れるような、新しく多様な体験に満ちた長期旅行を思い描く回答者もいる。
また、72%が「友人との外出にお金を使うよりも、大規模な旅行のために倹約したい」と答え、半数以上が、大規模な旅行に備えて6カ月から2年間の節約を計画していると回答した。また、ミレニアル世代とZ世代の回答者の58%が、「大きな旅行を予約したいので、旅行代理店または信頼できるアドバイザーにサポートしてほしい」と答えている。
一人旅が人気。忙しい毎日のリセットにも
3つ目の一人旅は、スポーツや音楽イベントと同様に今年のトレンドとして大きく注目されているものだ。
全体では69%が、MZ世代では76%が、2024年に一人旅を計画していると答えている。男性回答者では74%、女性回答者では63%が、一人旅を計画していると答えた。
また、全体の66%が自分が楽しむためのカスタマイズした旅行を計画しており、60%は複数回の一人旅を予約している。
一人旅は、自分の好みにぴったりと合わせることができ、スケジュールが立てやすいため、忙しい1週間を過ごした後のリセットに最適だ。そのため、回答者の57%が、長期の旅行や高額な旅行よりも、週末を利用した気軽な一人旅の方がいいと答えている。
旅こそ柔軟に
4つ目の「フレキシブルな旅」は、普段の生活の多くが計画的に行われているため、旅に出た時ぐらいはのびのびと柔軟にやりたいと考える人が増えていることが背景にある。
もちろん、事前に予約をしておけば安心だし、人気のアトラクションやアクティビティのチケットも確保できる確率が高いが、それ以上の魅力があるということだろう。
回答者の78%が、「思い立ったら吉日」といった自然発生的な旅行に魅力を感じている。そして、68%がそのような自然発生的な旅で、その地域の文化やアクティビティを体験したいと答えている。また、MZ世代は他の世代よりも直前で予約する人が多いこともわかった。
▼パリ五輪観戦旅行も関心を集めています
2024年パリ五輪開催まで半年、大会期間のフライト検索数急増。観戦に一番意欲的な国は?
▼アドベンチャートラベルでも一人旅が増加
2024年のアドベンチャートラベル展望、「持続可能性」「オーバーツーリズム「オフシーズン旅行」がキーワードに
最新のデータインバウンド
【訪日外国人数】2024年11月訪日客数318万7000人、累計数3337万人で年間過去最高を更新 (2024.12.19)
2024年アジア太平洋地域の消費トレンド、クレカ支出の3割超が旅行費用に。ミレニアル世代の支出旺盛 (2024.12.17)
世界のトップ100都市デスティネーション・インデックス2024発表、1位はパリ。3位にランクインした東京の評価ポイントは? (2024.12.12)
2024年1-9月の国際観光客数11億人突破、観光収入も大幅増。欧州などで2ケタ成長ーUN Tourism (2024.12.09)
観光立国タイの新たな一歩、同性婚法制化が年3000億円の観光収入増と予測。雇用増への影響は? (2024.12.05)
【宿泊統計】2024年9月外国人延べ宿泊者数2019年比49.8%増の1238万人泊。金沢への注目高まる石川県が伸長 (2024.12.02)
障がいを持つ人の訪日旅行に対する期待と現実の差が明らかに、正確な情報発信も課題に ーアクセシブルツーリズム調査 (2024.11.29)
航空機利用の旅行者が求める空港体験の効率化、生体認証も5割が経験ー2024年 IATA旅行者調査 (2024.11.25)
【訪日外国人数】2024年10月訪日客数331万2000人 単月最高を記録、累計は過去最速で3000万人を突破 (2024.11.21)