データインバウンド
2025年の中国人富裕層の消費動向、旅行支出増加。人気旅行先 日本の順位は?
2025.04.03
やまとごころ編集部中国人富裕層の消費動向調査となる『Hurun Chinese Luxury Consumer Survey 2025(胡潤研究院 中国富裕層消費者調査2025)』が発表された。この調査は750人の中国人の富裕層(HNWI)から得られた幅広い消費者の嗜好に関するデータを含んでいる。調査回答者の男女比は半々で、平均年齢は35歳。回答者の平均世帯純資産は655万米ドル(約9.8億円)だった。回答者の45%が一線都市、41%が新一線都市、14%が二線都市の出身だった。
ここでは、ドラゴン・トレイル・インターナショナルが上記レポートからまとめた旅行に関連するデータを紹介する。
中国人富裕層の旅行傾向、休暇日数増加
Hurun Reportが中国富裕層消費者調査を実施してから2025年は21年目にあたるが、過去20年間を振り返り、報告書はいくつかの大きな変化を指摘している。
まず、平均休暇日数は18日から24日に増加、さらに超富裕層(Ultra-HNWI)の平均休暇日数は27日となっている。人気スポーツのトップはゴルフからランニングへ、携帯電話のトップはノキアからアップルへ、そしてファーウェイとシャオミへと進化した。
しかし、こうした変化にもかかわらず、旅行はこの20年間、中国人富裕層にとって常に人気の高いレジャーであり続けている。
1年間の平均旅行支出額は約460万円
回答者の41%が年間30日以上の休暇を取得し、平均して年に2回海外旅行に出かけている。海外旅行の経験がない人はわずか7.5%だった。回答者の1年間のレジャー旅行の平均支出額は3万1000米ドル(約460万円)だった。
なお、旅行への支出を増やすと回答した人の数は2024年からわずかに減少したものの、中国人富裕層が支出を増やす予定のカテゴリーとしては、2024年トップだった健康とウェルネスを抜いて旅行が1位に躍り出た。
▼中国人富裕層が支出を増やすカテゴリー(グレイ=2024年 、赤=2025年)
(上より、旅行、子供の教育、健康とウェルネス、日常の贅沢品、蒐集、個人教育、エンタメ、贈答品、住宅改修)
中国人富裕層にとって、旅行は依然としてレジャーの第一選択肢であり、休暇でのアクティビティーとして14%が選択した。次いでグルメ、温泉、スパ、ワインテイスティングと続く。ディナーパーティと展覧会は、2025年新たに中国人富裕層のレジャー活動のトップ10に加わった。
▼中国人富裕層に人気のレジャーアクティビティ・トップ10(グレイ=2024年 、赤=2025年)
(上より、旅行、グルメ、温泉、スパ、ワインテイスティング、ディナーパーティ、キャンプ、お茶のテイスティング、家族のアクティビティ、展覧会)
人気の海外旅行先、トップはモルディブ、日本は6位
海外旅行の人気旅行先は4年連続でモルディブがトップとなった。フランスは、2020年と2021年を除き、過去20年間の調査同様、トップ3にランクインした。ドバイは過去5年間で著しく人気が上昇しており、2020年には14%で11位だったのが、2025年には34%で4位に上昇した。シンガポールもラグジュアリーな旅行先として人気が高まっており、2022年の23%に対し、2025年は32%が選んだ。日本は31%の6位だった。
アイスランド(14%)はトップ10にはランクインしていないものの、富裕層が好む海外旅行先の一つとして注目に値する。比較的観光客の少ない場所で、氷河やオーロラといった唯一無二の自然景観と体験を楽しめるからだ。また、1億人民元(約20億円)以上の資産を持つ超富裕層は、スイス(41%)とアメリカ(31%)を旅行先として好む傾向がある。
▼中国人富裕層に人気の海外旅行先・トップ10(グレイ=2024年 、赤=2025年)
(上より、モルディブ、フランス、シンガポール、ドバイ、スイス、日本、オーストラリア、ニュージーランド、イタリア、イギリス)
また、中国国内では20年前と同様、三亜(海南省)と雲南省が富裕層の国内旅行先トップ2で、香港は3位、マカオは10位だった。
▼中国人富裕層に人気の国内旅行先・トップ10(グレイ=2024年 、赤=2025年)
(上より、三亜、雲南、香港、チベット、上海、廈門、北京、新疆ウイグル、杭州、マカオ)
多様なニーズに応える旅行テーマ、文化体験の人気上昇
好みの旅行先に加えて、中国人富裕層は特定の旅行テーマを求めるようになっている。史跡(13%)、太陽とビーチ(12%)、高級リゾート(11%)が人気トップ3だが、2025年は文化体験(8%)が大きく伸びた。また、近距離ラグジュアリー旅行とオーシャンクルーズも新たなカテゴリーとして浮上している。
▼中国人富裕層に人気の旅行テーマ(グレイ=2024年 、赤=2025年)
(上より、史跡、太陽とビーチ、高級リゾート、ダイニング、山や湖、文化体験、買い物、ブドウ園、都市観光、スノー&アイススポーツ、古都、近距離ラグジュアリー旅行、オーシャンクルーズ)
また、回答者の35%が、子供を大学進学のために海外留学させる予定と答え、26%が高校からと答えた。海外留学先の順位は昨年と変わらず、アメリカとイギリスがトップ。カナダ、ドイツ、香港はそれぞれ2024年より3ポイント上昇した。
四川料理が人気、日本料理も4割が支持
食について調査したところ、四川料理が再び中国人富裕層の間で最も人気のある料理となり、広東料理、湖南料理がそれに続いた。外国料理では、日本料理、フランス料理、イタリア料理が依然として人気だ。また、今年新たにランクインしたカテゴリーは、ファーストフード(20%)と英国式アフタヌーンティーだった(15%)。
▼中国人富裕層に人気の料理
(上より、四川料理、広東料理、湖南料理、日本、フランス、イタリア、山東料理、江蘇料理、タイ、ファーストフード、英国式アフタヌーンティー)
最後に、スポーツ習慣については、調査回答者の54%が週に1~3回運動しており、さらに37%がほぼ毎日運動していると答えている。ランニング(12%)とヨガ(10%)が最も人気があり、登山、ウォータースポーツ、ゴルフ(各9%)が続いた。
中国富裕層の消費動向は、世界の高級市場に大きな影響を与える。特に、旅行業界においては、彼らの嗜好の変化を的確に把握し、魅力的な商品やサービスを提供することが不可欠となるだろう。
(図版出典:Dragon Trail International, Hurun Chinese Luxury Consumer Survey 2025)
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