データインバウンド
訪日客数343万人、夏休み需要で7月の最高更新も韓国・香港が減少
2025.08.21
やまとごころ編集部日本政府観光局(JNTO)が発表した2025年7月の訪日外国人旅行者数(推計値)は、343万7000人だった。これは、7月として過去最高だった前年同月(2024年7月)の329万2602人を14万人以上上回り(前年同月比4.4%増)、同月として過去最高を更新した。東南アジアでは夏場に需要が落ち着く時期となるものの、東アジアや欧米豪・中東市場を中心にスクールホリデーに合わせた訪日需要の高まりがみられた。

15市場で7月として過去最高を記録
7月は多くの市場で夏季休暇シーズンにあたるため、旅行需要が高まった。特に欧米豪・中東市場を中心に訪日者数が大きく伸びた 。台湾では単月での過去最高を記録したほか、アメリカ、フランス、インドネシアなど15市場で7月として過去最高を記録した。

市場別動向、中国は97.4万人で前年比25.5%増、台湾は単月過去最高
東アジア市場では、中国が97万4500人(前年同月比25.5%増)と大きく増加した。これは、航空座席数の増加やクルーズ船の寄港、スクールホリデーなどが押し上げ要因となった。台湾は60万4200人(同5.7%増)で、単月として過去最高を更新した。
一方、韓国は67万8600人と市場別では2位を維持したが、前年同月比10.4%減となった。東南アジアや中国などへの旅行需要の高まりに加え、日本で地震が発生するというSNSで拡散された情報も影響した。同様に、地震の情報や台風による航空便への影響もあり、香港は17万6000人(同36.9%減)と大きく落ち込んだ。

東南アジアでは、訪日需要が落ち着く時期にあたる国もある中、インドネシア(3万7600人、同27.2%増)、インド(1万8300人、同22.5%増)、ベトナム(5万3500人、同7.6%増)は7月として過去最高を記録した。
欧米豪・中東市場ではいずれも前年同月を上回り、好調だった。アメリカは27万700人(同10.3%増)、フランスは4万6200人(同23.7%増)と大きな伸びを見せ、いずれも7月として過去最高を更新した。特に中東地域は2万人(同55.9%増)、ロシアは1万1300人(同99.1%増)と高い伸び率を示し、記録を更新した。
1~7月の累計は2495万人超、香港以外は全市場で前年超え
2025年1月〜7月までの累計訪日客数は2495万5400人で、前年同期比18.4%増となった。引き続き年間の過去最多を超えるペースで推移している。市場別では、中国が最多の569万2900人(前年同期比47.9%増)、韓国が546万2100人(同5.0%増)、台湾が388万8900人(9.5%増)と続いた。
前年比の伸び率では、ロシアが102.9%増でトップ、次いで中東地域が54.2%増、中国、スペイン(44.6%増)だった。なお、香港のみが累計でも前年を下回る結果となった(6.9%減)。

7月の日本人アウトバウンドは120万人超
一方、夏休みシーズンを迎えた7月の出国日本人数は120万5500人で、前年同月比14.9%増だった。これにより、1月から7月までの累計は781万4500人となり、前年比14.1%増となった。
【編集部コメント】
夏休み需要で過去最高を更新した7月、東アジアではリスク要因が鮮明に
2025年7月の訪日客数は343万人を突破し、7月として過去最高を更新した。欧米豪・中東市場が堅調で、台湾やアメリカなど15市場が最高値を記録した一方、韓国や香港は自然災害関連情報や航空便の影響で減少した。累計では年間最多を超えるペースで推移しており、需要拡大の裏側で突発的リスク要因が浮き彫りになった点も見逃せない。観光事業者にとっては、好調市場の活用と同時にリスク分散の視点を持つことが重要だろう。
*JNTOによる訪日外国人とは、法務省集計による外国人正規入国者から、日本を主たる居住国とする永住者等の外国人を除き、これに外国人一時上陸客等を加えた入国外国人旅行者を指す。駐在員やその家族、留学生等の入国者・再入国者は訪日外国人数に含まれるが、乗員上陸数は含まれない。
(出典:日本政府観光局 訪日外客数2025年7月推計値)
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