データインバウンド
2025年9月の訪日宿泊 外国人宿泊数は微増、地方が堅調に伸長。三重・新潟・鳥取で大幅増
2025.12.01
やまとごころ編集部観光庁が発表した2025年9月の宿泊旅行統計(第2次速報)によると、外国人延べ宿泊者数は1257万人泊で、前年同月比1.3%増となった。一方、日本人の減少が大きく影響し、全体の宿泊者数は前年を下回った。
外国人宿泊者数は1.3%増、日本人減少で全体は前年割れ
9月の全体の延べ宿泊者数は5310万人泊(前年同月比3.6%減)。内訳は、日本人が4053万人泊(5.0%減)、外国人が1257万人泊(1.3%増)となった。外国人宿泊者数は7月に前年同月比でマイナスとなったが、8月には3.8%増と回復し、9月も引き続き増加傾向を維持した。

地域別の構成比を見ると、三大都市圏が68.3%、地方部が31.7%を占めており、地方部は前年よりもシェアを拡大した。前年同月比では、三大都市圏が1.4%減となった一方で、地方部は7.6%増と大きく伸長しており、地方が訪日市場の成長をけん引する構図がより明確になっている。

外国人宿泊数トップは東京、京都・沖縄は好調 大阪は引き続きマイナス
外国人宿泊者数を都道府県別にみると、東京都が最多の444.9万人泊(3.7%増)。以下、京都府(151.0万人泊、10.9%増)、大阪府(146.1万人泊、26.2%減)、沖縄県(85.2万人泊、28.3%増)、北海道(66.2万人泊、5.2%増)が上位を占めた。

大阪府では依然として2桁の減少が続いている。一方、沖縄県・京都府・神奈川県(9.4%増)などは堅調で、定番観光地としての人気や、東京・関西圏との周遊ルートに組み込まれやすい特性が宿泊需要を下支えしていると考えられる。

三重・新潟・鳥取など地方県が急伸 FITや航空路線が奏功
都道府県別の外国人宿泊者数を前年同月比でみると、伸び率トップは三重県(93.4%増)。以下、新潟県(79.8%増)、鳥取県(76.0%増)、宮崎県(66.9%増)、島根県(増60.0%)と続き、地方県が上位を占めている。

三重県では伊勢志摩エリアを中心とした個人旅行(FIT)需要が好調。新潟県や鳥取県では、台湾・韓国との航空路線維持や、地域独自の観光資源の発信が功を奏しているとみられる。ただし、いずれの県も宿泊者数の母数が小さいため、伸び率のインパクトが相対的に大きく表れている点には注意が必要である。
アジア市場に陰りの傾向、欧米豪・インド市場は好調維持
国・地域別の外国人宿泊者数では、中国が最多の204.7万人泊(前年同月比0.3%減)を維持。続く台湾(135.8万人泊、同3.9%増)、米国(118.3万人泊、同13.4%増)、韓国(111.6万人泊、同15.7%減)、オーストラリア(49.9万人泊、同1.0%増)となった。この上位5カ国・地域で全体の57.1%を占める。

韓国(15.7%減)や香港(26.7%減)など近距離のアジア市場では前年割れが目立つ。一方で、個人旅行(FIT)や長期滞在ニーズの高まりを背景に、ロシア(113.0%増)、ドイツ(39.2%増)、フランス(27.3%増)、イタリア(29.9%増)など欧州各国や、インド(50.1%増)などの遠距離市場では堅調な伸びが見られた。
なお、地域別構成比はアジアが51.8%(うち東アジアが44.9%)、欧州が11.5%、北米が13.0%となった。
【編集部コメント】
都市部に陰り、地方に光
都市部の鈍化と対照的に、地方の健闘が際立つ結果となった。三重・新潟・鳥取といった地域では、個人旅行(FIT)や航空ネットワークの工夫が実を結んでおり、今後の地方観光の可能性を示唆している。一方、都市部や近隣アジア市場では成長の鈍化が見られ、需要喚起には新たな戦略が求められる。都市と地方を結ぶ広域周遊の促進が、今後の鍵となるだろう。
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