インタビュー
この国の魅力を海外に広めることそれが日本人として意義ある仕事
プロフィール
1963年9月7日兵庫県生まれ。大阪市立大学・経済学部卒業。株式会社リクルートを経て、渡中。出版物規制の厳しい中国政府から異例の許可を取得し、1995年大連で創業、在中日本人向けフリーマガジンを創刊。2004年株式会社チャイナ・コンシェルジュ設立、同代表取締役社長就任。
2005年中国人向け、2007年香港人向けに日本観光情報誌(フリーマガジン)を創刊。
現在、中国4都市(大連・北京・上海・香港)に拠点を置き、東京本社を起点に日本広報事業を展開。
株式会社チャイナ・コンシェルジュは、社名の通り、中国ビジネスに特化した会社。現在の売り上げの50%が大連、北京、上海での日本人向けフリーマガジンの制作。次いで、4年前にスタートした中国人向けフリーマガジンの売り上げが30%と続き、さらに日本からの中国本土向けECサイトのサポート事業が15%となっています。最近では観光庁関連の仕事も増えているとのこと。
北京、上海での日本人向けフリーマガジンの制作を始め、中国本土向けECサイトのサポート事業や観光庁関連の仕事など、中国ビジネスに特化した会社、株式会社チャイナ・コンシェルジュのCEO・大西正也氏にお話しをうかがいました。
- 目次
- 出版規制の厳しい中国でチャンスを生かし活路を見出す
- ツアーを作り、媒体に掲載しそしてレポートでフィードバックする
- 現地の声に耳を傾け効果的な販売促進手段を講じる
出版規制の厳しい中国でチャンスを生かし活路を見出す
村山
本日はよろしくお願いします。
株式会社チャイナ・コンシェルジュのCEOでいらっしゃいます大西正也さんが、まずは、起業されたきっかけを教えていただけませんでしょうか大西
大学を卒業して、最初に就職した先がリクートでした。しっかりと勉強させてくれそうな会社ということで選択しました。やはり求人広告の営業を行っていると、あらゆるタイプの経営者と触れ合うことができますし、そこから多くの刺激を得たのは確かです。
ただ当時のリクルートは、業務の性質上、どうしてもドメスティックな雰囲気だったため、私としてはもっと世界へと目を向けて行きたい、という意識があり起業を考えました。村山
なるほど。世界へ目を向けるという意識を持たれていたのは、学生時代からだったのですか?大西
私の父の影響です。父は長年、商社に勤めていまして、よく家に外国の方々を招いていました。そんな環境に育ったせいか、「日本人はなぜもっと外国人とビジネスを推進しないのだろうか」という疑問をずっと抱いてきたのです。
そんな父が52歳で独立。貿易会社を設立したので、私も手伝うことにしたのです。はじめは台湾で化粧品の販売などを手がけていました。村山
なるほど。念願の海外ビジネスを手がけられたわけですね。中国本土へ目を向けられたのはいつのことだったのですか。大西
台湾で仕事をしていて、現地の経営者と交流を持つようになり話を聞いていると、彼らの目はすでに中国本土に向いていました。「人口わずか2,000万人の台湾になぜ留まるのか。台湾人はみんな中国を目指してビジネスをしている」と。
日本からは、当時まだ中国本土へアプローチする動きがなく、日本人の競合がない時期だからこそ、ビジネスチャンスだと考えました。村山
市場としては未成熟だったということですか?大西
現地で貿易会社を設立する手続きが煩雑で、なおかつ要求される資本金の額が多きい。さらに、信頼の置ける中国人のビジネスパートナーを見つけることも難しい状況でした。
そこで目をつけたのがフリーマガジンだったのです。実際、私もそうでしたが、日本人が中国へ行くと食事をする店すら探すのも難しい状況。ハワイやニューヨークには日本人向けのガイドが山ほど存在するのに、中国はなぜないのか……。そう思い立った瞬間から、もう動きはじめていましたよ(笑)。村山
大変、行動的ですよね。しかし、当時の中国といえば出版規制もかなり厳しかったのではないでしょうか?大西
その通りです。そう簡単にはいかないことははじめからわかってはいたのですが、チャンスが訪れたのです。
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