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グリーンツーリズムは、地域のコーディネートする組織が不足

2014.07.22

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出典:やまとごころ.jp

日本エコツーリズムセンターの主催により、「ニッポン・グリーン・ツーリズム2014東京セミナー」が、7月16日に国立オリンピック記念青少年総合センターで開催された。午前中に3つの基調講演があり、午後はパネルディスカッション。

基調講演において、JNTOの鈴木克明氏は、最新の訪日外国人旅行客の現状や主要訪日市場の動向について解説し、インバウンドの全体像を把握できる構成となった。

次に株式会社北海道宝島旅行社の鈴木宏一郎氏は、「これからのグリーンツーリズムのあり方について、北海道の大地で考えていることと」と題して講演。団体旅行が増えすぎたことによる弊害や札幌近郊での観光資源が知られていない現状について課題を示した。また農村や漁村への地域をあげての受け入れ体制の整備が不十分で、農家に負担をかけるのではなく、それを補うコーディネーターの必要性を現場目線で訴えた。

株式会社マインドシェアの坂元英俊氏は、「新たなグリーンツーリズムの方向性:住んでよし、訪れてよしの観光地域づくり」と題して講演。地域に何度でも足を運んでくれるリピーターの獲得は、訪れた人にとって「特別な存在」になれることだと指摘。さらに行政の農水・商工・観光のプロジェクト化と民間で作るプラットホームの協働体制の必要性を訴え、これまでの観光協会とは違う新たな事業スキームの創出が課題となる。

後半のパネルディスカッションでは、地域住民が主体となる持続可能な社会基盤の構築について議論。整理すべきポイントとして以下のことがあがった。

何のためにやるのか? 関係性、信頼基盤、宝物は何か? どんな人がくるのか? 何のために来るのか? 海外の当り前と日本の当り前の違いは? 

地域がインバウンドなど、新しく取り組むための課題が多くあり、顕在化させるプロセスが大切だ。また、ヨーロッパでのグリーンツーリズムに視察した夫婦が、目指す方向をイメージできて取り組みが加速したという事例もあり、違った角度からの意見交換もなされた。

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