インバウンドニュース
★地方で進む欧米豪からの訪日観光客誘致
2018.04.03
日本政府観光局によると、2017年の欧米豪からの訪日客数は初めて300万人を上回ったものの、訪日客数全体の約11%にとどまっている。観光庁と日本政府観光局は2月から欧米豪市場を主なターゲットとする全世界的な訪日促進キャンペーン「Enjoy my Japan」を開始したが、欧米豪からの訪日客誘致の動きは地方へも波及している。
大分県別府市は欧米豪からの観光客を狙い、別府温泉を紹介する英語版のホームページ「ENJOY ONSEN」を開設した。市によると、年間800万人の別府温泉の観光客のうち外国人は60万人で、その内、欧米豪からの観光客は1万7000人程度しかいない。「十分な情報提供がなされず、集客に結びつかないのが原因」と分析し、英語版のホームページを開設したという。
一方、2017年に岐阜県に宿泊した外国人は、米国が前年比14.1%増の3万4240人、英国が同27.3%増の2万30人、豪州が同15.6%増の3万1320人と、欧米豪からの増加が増えている。欧米豪からの観光客は自然体験や伝統文化を好む傾向があり、日本の原風景が残る県内の観光地とニーズが合致していると岐阜県観光国際局は分析している。また、宿泊施設を拠点に数日かけて体験活動を楽しみながら周遊する特徴があることから、県は本年度、体験プランの企画に着手する。刀鍛冶や紙すき等の伝統工芸をウェブサイトなどでPRし、誘客拡大を図る考えだ。
石川県の金沢では、一棟貸切宿ブランド「旅音/TABI-NE」が欧米観光客の人気を集めている。旅音を運営する株式会社こみんぐるは、金沢市内で町家等の一軒家を利用した宿を2018年3月時点で7棟展開している。宿泊客の7割は外国人で、その大多数は欧米からの旅行者だという。古民家など、日本にしかない宿泊施設を宿にしている点も欧米の旅行者の利用が多い一つの要因と見ている。
(やまとごころ編集部)
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