インバウンドニュース
★ホームアウェイ、地方活性化を目指し古民家をバケーションレンタルとして活用
2018.06.06
エクスペディアグループで、世界最大級のバケーションレンタルサイトを運営するホームアウェイは、古民家の再生・再利用などを手掛ける(一社)全国古民家再生協会、楽天グループで民泊事業を担う楽天LIFULL STAY株式会社と、6月4日、業務提携を行った。古民家のバケーションレンタル用物件としての活用、国内外の旅行客への古民家の魅力発信、古民家への長期間滞在に向けた取り組みを3者で連携して行う。
9割の家族・グループ層は古民家への宿泊に興味
別荘を中心に一棟丸ごと貸し出すスタイルの物件をメインに取り扱うホームアウェイは、日本ではあまりなじみ名がないものの、世界中では確立された分野で、売り上げ規模は1兆円規模を誇る。
ホームアウェイの利用者は、5割が34-54歳であり、3人以上での利用が75%、5人以上での利用も40%となっており、ファミリー・家族層を中心に利用が進んでいる。ホームアウェイが世界7か国、1021人に対して行った調査結果から、家族・グループ層の7割以上が古民家宿泊に興味があると答えており、特に米、仏、英では8割を超している。このことから、特に欧米圏で日本の文化・歴史への関心が高く、日本人の暮らしを体験したいと考える傾向が見て取れる。
利活用可能な潜在古民家は64万件以上
一方で、全国古民家再生協会の調査結果によると、日本全国には約128万の古民家があり、うち半数の64万件以上が、バケーションレンタルなどに利活用が可能な物件である試算している。ただし、これらの物件の活用にあたっては、リノベーションなどを必要とするケースが多い。そこで、古民家再生協会では、宿泊施設として古民家を利用する際の基準となる「古民家宿泊鑑定」を設け、同協会認定の古民家鑑定士による審査をへて、認められた古民家に対して[古民家宿泊鑑定済みロゴ]を発行する。
鑑定の項目は、耐震性や快適性など20からなり、認定を受けた古民家には、安心安全なお宿として他の古民家との差別化も図る。なお、このロゴは、ホームアウェイと共同で開発し、外国人からの意見も元にKominka(古民家)よりもイメージしやすい「Traditional House」と表記した。
自治体との連携で地方活性化を目指す
今回の業務提携を通じて、古民家再生協会が開拓した古民家に対し、楽天LIFULLがリノベーションなど開発支援や実際の運用代行支援などを行い、ホームアウェイのサイトを通じて、訪日外国人への告知と集客を行う。
ホームアウェイ日本支社長の木村氏によると、今年中に古民家30件をホームアウェイに掲載することが目標。今後は地方自治体とも連携し、地方での掲載物件の開拓を中心に進めていく考えだ。
(やまとごころ編集部)
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