インバウンドニュース
訪日客の位置情報から昼と夜の滞在場所を分析、千葉県と奈良県での滞在が低い理由とは?
2019.06.25
株式会社 エヌ・ティ・ティ・アド(NTTアド)は、GPSなどの位置分析から収集したマーケティングデータを元に、訪日外国人の昼間の訪問先と当日の宿泊先の統計をとり、当日の宿泊率などの分析を行った。この分析により、訪問率は高いながらも宿泊客が極端に少ない県も明らかになり、宿泊施設やナイトライフの不足など具体的な課題が見えてきた。
2018年9月にNTTアドが発表した訪日客の動体情報を分析した「47都道府県基礎分析レポート」で、インバウンド客が滞在した際の自県における宿泊率をランキングで表したところ、1位、2位が海を隔てた沖縄県と北海道、3位以降も交通網のハブであり一大観光地の大都市圏が名を連ねるという予想通りの結果だった。一方で、ランキングの下位をみると、成田空港や幕張メッセ、東京ディズニーリゾートを抱え、滞在数ではトップクラスの千葉県の宿泊率が47.9%と半数を割った。昼間滞在型の施設が多く、夕方までの出入国のゲートウェイに留まり、夜間のアクティビティが多い東京に宿泊客が流れていることが分かる。訪日外国人を誘客するナイトタイムエコノミーの施策不足が、数字に現れていると分析している。
47都道府県のうち最下位となったのが奈良県だ。JNTO発表の「2017年訪日外国人の都道府県別訪問率」によると、奈良県は10位に位置しているが、今回の調べでは自県宿泊率が22.5%と低かった。奈良県滞在者の宿泊率1位は大阪府で54.1%、自県宿泊者の2倍以上が大阪府に宿泊していることになる。厚生労働省によると、奈良県は宿泊施設の客室数が全国最下位で、大阪府の約10分の1の9,197室。大阪府が奈良県の客室不足の受け皿となっている可能性が高いことがわかった。
(やまとごころ編集部)
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