インバウンドニュース
2020年の春節、中国人旅行客の人気旅行先トップは日本。トレンドは「体験型商品」に注目
2020.01.21
中国の正月にあたる春節は、中国人旅行者の海外旅行が活発になる時期。2019年には前年比12.48%増の631万1000人が海外に出掛けており、今年の旅行需要も引き続き高いと予想されている。
中国の大手オンライン旅行会社Trip.comの統計によると、中国周辺国への海外旅行では、日本が人気トップとなっている。次いでタイ、シンガポール、マレーシア、ベトナム、インドネシア、フィリピン、カンボジア、スリランカ、インドという順で人気があり、ここ2、3年変動がない。中国から数万人が訪日すると予想される今年は、体験型商品の「雪見」「温泉」「ウィンタースポーツ」が人気になる、と予想されている。
また、長距離の海外旅行先では、オーストラリアが人気トップとなった。オーストラリアは南半球にあるため、中国では冬にあたる春節時期は夏になる。暖かい春節が楽しめるとして人気があるようだ。他にアメリカ、イタリア、ニュージーランド、イギリス、スペイン、ロシア、フランス、アラブ首長国連邦、ドイツが挙がっている。
春節の時期は家族旅行の割合が60%と高く主力客層となっているが、世代別では1980年代生まれが海外旅行に最も積極的で、全体の29%を占める。家族旅行に関しては、高品質ツアーであることを重視し、90%以上の観光客が高級商品を購入しているほか、プライベートツアーも前年比100%以上の増加がある。
ただし、旅行のコストパフォーマンスへの意識も高まっており、「オーストラリア9日間団体ツアー」では販売価格が5〜10%下がるなどの現象がみられた。全体では団体ツアーの割合が多く65%に上るが、カスタマイズツアーも人気が上昇している。これは、Trip.com提供のCtripアプリで簡単にオーダーできることが人気の要因のようで、オンライン経由の旅行商品購入は全体の6割以上だった。また、春節期間に海外旅行をする中国人旅行者の居住都市トップ5は、都市別GDPがトップクラスであり、経済成長が著しい上海、北京、広州、深セン、南京の順となった。
(やまとごころ編集部)
編集部おすすめ関連記事:
関連インバウンドニュース
-
2025.03.14
旅館・ホテル市場の売上高、24年度は過去最高の5.5兆円の見込み。インバウンド獲得で前年度比「増収」は3割超え
-
2025.03.11
2024年の越境ECレポート、日本の売れ筋商品や人気カテゴリが明らかに ーイーベイ・ジャパン
-
2025.03.07
検索ワードから分析、2024年末〜2025年春節の訪日客購買動向。1位となった商品は?
-
2025.03.05
日本の飲食店の2024年予約動向、インバウンド予約数は過去最多。「Googleで予約」が大幅増
-
2025.03.04
円高が訪日需要に与える影響調査、4人に1人が「旅行をためらう」と回答。消費動向に与える影響は?
-
2025.02.26
免税対応の小売店「2026年免税制度改正」の認知率は約65%。改正に向けた準備状況は?
-
2025.02.21
2024年の日本酒輸出動向、金額2位のアメリカは前年比125.9%増、EUは過去最高を記録。トップの中国は減少
-
2025.02.12
訪日客の購買動向を土産物屋で調査、リピート購入問い合わせ「あり」が8割近く。オンライン購入の整備が課題に