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2020観光白書、新型コロナの影響強く国内観光需要喚起から インバウンド数値目標記載なし

2020.06.18

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政府は16日、2020年版(令和2年版)の観光白書を閣議決定した。観光白書は、最近の観光動向や観光がもたらす経済効果の分析を軸に、今後の施策などをまとめたもので、観光立国推進基本法に基づき、毎年国会に提出される。

国連世界観光機関(UNWTO)発表の世界観光動向によると、2019年の国際観光客は前年比5400万人増の14億6100万人で過去最大。2018年の外国人旅行者受入数ランキングでは、日本は3119万人で11位(アジア3位)、国際観光収入ランキングでは、421億ドルで9位(アジア2位)に位置している。

また、2019年の訪日外国人客数は前年比2.2%増の3188万人で、訪日外国人の旅行消費額は前年比6.5%増の4兆8135億円で過去最高を更新した。2019年の出国日本人数も前年比5.9%増の2008万人の過去最高となった。

地方部を訪問する訪日外国人客は年々増加し、2019年は1840万人となった。2016年以降、地方部が訪日外国人客数の増加を牽引している。特に、ラグビーワールドカップ2019日本大会では、訪日外国人が地域経済に及ぼす効果を顕著に示し、大会期間中の主要出場国の外国人延べ宿泊者数は、地方部で前年より大きく増加した。

また、訪日外国人客の約6割がリピーターで、東アジア4カ国からがその8割以上を占める。香港や台湾は訪日10回以上の割合も高い。リピーターほど地方部を訪問する傾向が見られ、消費単価が高く、地方産品の購入者単価、購入率も高い。

しかし、新型コロナウイルス感染拡大による入国制限等により、2020年1-3月期の訪日外国人旅行消費額は41.6%減、4月の訪日外国人客数は99.9%減の2900人まで落ち込んでいる。影響は国内旅行についても同様に大きく、旅行のキャンセルや外出自粛の影響を受け、観光需要は大きく減少。関連産業に与えた影響は深刻だ。

18、19年の観光白書では明記されていた「2020年に4000万人にする」という数値目標の記載は見られなかった。

観光庁では、状況が落ち着き次第、国内観光需要をまず喚起させるとしているが、成長分野であるインバウンドにも引き続き重点を置く。国・地域ごとの収束を見極め、誘致可能となった国から、航空会社等との共同広告の発信や、インフルエンサーの招請等を通じて海外プロモーションを推進し、インバウンドの回復を図っていくとしている。

詳細:【観光庁】報道発表

 (やまとごころ編集部)

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