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IATA 航空需要回復は前回予測より1年遅れ2024年の見込みと発表 

2020.08.03

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IATA(国際航空運送協会)は7月28日、世界の旅客需要が新型コロナウイルス感染拡大以前の水準に戻るのは、5月の予測よりも1年遅れ、2024年になるとの見通しを発表した。

予測は有償旅客を運んだ距離を示す有償旅客キロ(RPK)のデータを元にしている。短距離便の回復は長距離便に比べ早いと予想され、それに伴いRPKも早い回復が見込める。そのため短距離便の回復は、前回は2022年とされていたのだが、こちらも1年後ろ倒しの2023年となった。2020年の世界の旅客数は前年比55%減、4月の予測値46%からさらに悪化すると予測されている。

2020年6月の国際旅客需要には回復に遅れが生じ、前年同時期と比較し86.5%減となった。 5月の91.0%の縮小からはわずかに改善されており、これは中国での国内需要の高まりによるものとみられる。

米国では新型コロナの封じ込めに遅れが生じ、一旦は封じ込めに成功した国でも新たな集団感染が発生、新興国ではそもそもウイルスの封じ込めを行っていない国もある。水際対策としての各国の入国制限が大きな足かせになっている。

経済悪化も影響している。企業は財政圧迫により出張予算を大幅に抑えることが見込まれている。これまでGDPと旅客需要の間には強い相関関係がみられたが、現在のビデオ会議などのツールの普及により、この関係が薄れてきているとの結果が出ている。また、観光旅行としては失業への不安や新型コロナ感染リスクの恐れから、IATAの6月の調査結果によると回答者のおよそ55%が年内には飛行機を利用しないと答えた。

これらが要因となり2021年の旅客数は前年比62%増との予想が出ているものの、依然として2019年と比較すると約30%減の見通しとなった。

また、6月の世界の国内市場のRPKは前年同月比67.6%減で、5月の78.4%減から改善した。 日本の航空会社は緊急事態宣言解除以降、国内需要の改善がみられる。6月の日本の国内旅客需要は、前2か月の年間約90%の減少と比較しても、前年比74.9%の減少にとどまった。

(やまとごころ編集部)

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