インバウンドニュース
国際観光再開に向けトラベルパス実現間近。IATA 旅行者の検査結果やワクチン接種情報をアプリで共有
2020.12.07
IATA(国際航空運送協会)がこのほど、開発中の「IATA Travel Pass」が最終開発段階に入ったことを発表した。2021年第1四半期(1-3月)の実装を目指している。
14日間の隔離などの検疫要件なしに国境を解放し、航空移動を再開するには、各国政府がコロナウイルスの流入を防ぐことができると確信を持つ必要がある。そのためにはまず旅行者が、出発前に必要な検査や対策と、その検査を受けられる場所を知ることだ。さらに、その検査結果が、各国政府に安全に共有されなければならない。
現在の課題は、まず、各国政府が求める新型コロナ検査が多様で、入国管理局、乗客、航空会社それぞれが混乱していることが挙げられる。次に、乗客が正しい情報を得る手段が一元化されていないことも問題だ。さらに、入国要件が複雑なため、健康状態確認が非効率で、誤りや虚偽申告に繋がりかねない。
体系的な検査に向けての情報フロー基盤を確立するために欠かせないことがある。
・各国政府が、信頼できる検査と、検査結果を示す公式な身分証明書を備えること
・航空会社が、検査要件について正確な情報を旅客に伝え、要件を満たしている事を確認できる機能を持つこと
・検査機関が、国際的に通用する公式な証明書を、旅行者に発行する手段を持つこと
・旅行者が、検査要件と検査を受ける場所を知ることができ、航空会社や入国管理局等に結果を安全に伝える手段を持つこと
これらを実現するための具体的な解決策として、IATAが「IATA Travel Pass」を開発中だ。下記4つの相互運用可能なモジュールが組み込まれており、旅行者は、全ての国の旅行要件を検証しクリアできる。
1.旅行者が旅行の要件に関する正確な情報を見つけることができる「健康要件のレジストリ」
2.旅行者が、目的地の基準を満たす検査やワクチン接種を受けられる場所を、正確に見つけることができる「検査、予防接種センターのレジストリ」
3.検査機関が、検査結果または予防接種証明書を、旅行者に安全に送信できる「検査機関アプリ」
4.旅行者が、検査や予防接種の要件を満たしていることを証明する「デジタルパスポート」を作成し、入国管理局等と各種証明書を共有できるようにした「非接触型旅行アプリ」。旅行を通して、関連書類をデジタルでシームレスに管理できる。
最優先されるべきは、人々が再び安全に移動できることである。短期的には、出発前の検査結果の信頼性を国際的に立証することによって、隔離措置をなくすことである。将来的には、ワクチン接種情報の共有に移行する。「IATA Travel Pass」が、その手段となり得るだろう。
関連インバウンドニュース
2023.09.12
2023年秋の旅行動向、物価高にも関わらず旅行出費増やす日本人6割超、旅先はアジアが人気
2023.08.16
訪日予定の外国人に聞いた「この夏行きたい日本の地域」、旅先を決めた意外な理由も明らかに
2023.08.15
訪日中国人のSNS投稿分析、多様なコンテンツ揃う主要都市から回復、地方は来年夏から本格化か
2023.07.18
2023年夏のインバウンド体験予約動向発表、「花火」「浴衣」など日本の夏を満喫できる体験が人気ーKlook
2023.06.27
北海道の「人」と台湾を繋ぐイベント開催、出会った人に会うツアー販売で関係構築へ
2023.06.12
訪日外国人が「日本で不便に思うこと」1位は? 言語の違いによる課題も明らかに
2023.05.30
世界最高を選ぶアワードに3年連続ランクインした日本のワイナリー、6月より常設の英語ツアー開始
2023.05.25
値上げ後のJRパス利用意向を調査「今後利用しない」が7割超。訪日客の地方誘致後退の懸念も