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年末年始の京都観光動向、ホテル稼働率は30%に減少 Go Toキャンペーン停止の影響大

2021.01.14

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京都市観光協会(DMO KYOTO)が、年末年始の京都観光の動向に関する臨時調査を行い、結果を公表した。調査は「市内主要ホテルの経営指標」「Go Toキャンペーンの影響について」「市内主要地点における人出の状況」の3項目で行われた。

昨年末は46.7%を占めていた外国人の利用割合が2.5%に減少

京都市内ホテル(35施設)における、年末年始(2020年12月25日~2021年1月3日)の客室稼働率は31.1%で、60%を超えていた11月と比較すると、およそ半分にまで落ち込んだ。76.0%だった前年同期間(2019年12月27日~2020年1月5日)の客室稼働率からの減少幅は44.9ポイントであり、半分以上の減少となった。平均客室販売単価は18,228円で、前年同期間の22,000円から17.1%減となった。また、客室収益指数(単価と稼働率を乗じた経営指標)の前年同期比は67.1%減で、宿泊施設の経営に与える影響は深刻としている。

なお、前年同期比は46.7%を占めていた外国人による利用割合は2.5%に留まったことから、外国人需要の消失の影響も極めて大きい。

 

キャンペーン停止がなければ、客室稼働率は昨年末に匹敵か

2020年7月22日のGo Toキャンペーン開始以降、調査対象施設で販売された客室のうち、キャンペーンの適用を受けた割合は77.1%と大きな割合を占めている。12月14日にキャンペーン一斉停止が発表され、停止対象期間(12月28日~1月11日)の予約の63.8%がキャンセルとなった。対象期間外でも、キャンセルは発生している模様で、キャンペーン停止の影響は数値以上の大きさであると推察される。仮に、これらのキャンセルが発生しなかった場合、客室稼働率は前年同期に匹敵する水準であったことが想定される。

宿泊施設側でよく発生したトラブルとして寄せられた意見として、「顧客が知っている以上の情報をホテル側で事前に入手できないため、顧客からの問い合わせに十分な対応ができなかった」「旅行会社や予約サイトによって一斉停止に伴う変更や対応が異なり、混乱が生じた」「クーポンの回収やキャンセル補償の精算対応に手間取った」などが上がった。

 

清水寺、嵐山、伏見稲荷などの人手は前年比60%減

スマートフォンの位置情報に基づく年末年始の人出を前年同時期と比較すると(外国人は含んでいない)、清水寺周辺では前年から60.0%減、嵯峨嵐山では59.3%減、伏見稲荷周辺では68.4%減と、6割前後の減少となった。いずれの地点においても、京都市内からの来訪者が占める割合が増加し、遠方からの来訪者が減少した。旅行の自粛が要請されていた大都市(札幌市、東京都、名古屋市、大阪市、広島市)の居住者の増減や構成比は、他地域からの来訪者と比較して目立った差は認められなかった。

 

図・出典:京都市観光協会 2020年 年末年始の営業状況に関する臨時調査

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