インバウンドニュース
2020年12月百貨店売上、巣ごもり需要に動きあるも前年同月13.7%減の5464億円。2020年のインバウンド売上は80%減
2021.01.27
日本百貨店協会は1月22日、2020年最後の月である12月の全国百貨店売上高概況を発表した。総売上高は前年同月比13.7%減の5464億円余で、15月連続のマイナスを記録した。年末商戦が健闘し、前月に比べ0.6ポイント改善したが、新型コロナ感染症の再度拡大からの自粛ムードが歯止めをかけた形となった。
2020年12月は、年末年始の帰省自粛による巣ごもり需要に動き
国内市場は11月に続き10.0%減となった。地区別に見ると、地方が8.3%減、前月比で1.9ポイント改善し、15.8%減の大都市との格差が7.5ポイントに広がった。商品別では年末年始の帰省自粛による影響で、おうち時間を充実させるための「イエナカ消費・巣ごもり需要」に一層の動きがあった。年末商戦ではクリスマスケーキ、おせちが順調で、特におせちは会期終了前に完売するケースも見られた。ECはコロナ禍により急成長しており、売り上げ全体に対するシェアが大きくなっている。
なお、12月のインバウンド売上(免税総売上高)は前年同月比では88.6%減の約34億4000万円だった。購買客数は約9000人で前月の約7000人、先々月の5000人より着実に増えているが、こちらも前年同月比では売り上げ同様11カ月連続のマイナスになった。一人あたりの購買単価は約36万2000円で前年同月比427.7%だった。
12月に外国人観光客に人気のあった商品は以下の通り。
1位:化粧品
2位:ハイエンドブランド
3位:婦人服飾雑貨
4位:食料品
5位:婦人服・洋品/子供服・洋品
また、免税手続きカウンターの来店国別順位は以下の通り。
1位:中国本土
2位:台湾
3位:香港
4位:韓国
5位:タイ
6位:シンガポール
7位:マレーシア
2020年の百貨店売上25.7%減の4兆2204億円、インバウンドは80%減に
2020年の百貨店年間売上高は、4兆2204億円で、既存店ベースで25.7%減だった。ラグジュアリーブランドや宝飾品など高額商材は11月には2桁増の12%プラスになるなど、おしなべて好調だった。新型コロナウイルス感染症拡大による外出自粛から、自宅生活を充実させる生鮮食品や寝具、家電やキッチン用品も10月には13.9%増になるなど、不調の部門が多いなかで手堅く伸びた年だった。現在発出中の緊急事態宣言下における売り場環境の整備や、デジタルによる顧客接点の開拓など、コロナ禍での売上低迷を巻き返す為の新たな施策を推進している。
また、2020年のインバウンド売上高は前年同月比80.2%減の686億2000万円となった。一般物品が前年比77.7%減の414.3億円、消耗品が83%減の271.9億円だった。売上自体は大幅減となったが、1人あたりの購買単価は全体的に躍進、3月に前年同月比で216%だったのが10月549.6%とピークを迎え、その後も11月、12月と400%台を保ち続けている。
ECを通じての需要開拓の努力も徐々に売上に反映されシェア率も拡大しつつあり、今後注目される部門である。
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