インバウンドニュース
アフターコロナで選ばれる旅先を目指し、サステナブル・ツーリズムを押し出した4施策を展開 —岐阜県
2021.04.01
世界的な旅行トレンドが、新型コロナウィルス感染症の流行を受けて大きくシフトしている。「安心・安全」な環境、田舎や静かな環境での「癒し」や自然の中での「開放感」を重視する動きだ。こうした流れのなか、“豊かな自然のもと、先人から受け継がれてきた伝統、文化、匠の技が暮らしの中に息づいている”ことを魅力として多くの旅行者を惹きつけてきた岐阜県が、サステナブル・ツーリズムを前面に押し出した4つの施策を展開する。指標や計画を明確にし、国際的なSDGs(持続可能な開発目標)基準を達成することで、アフターコロナの世界において「選ばれる旅先」を目指す。
1つ目に、インバウンド客に長く滞在してもらい、消費を拡大するための体験コンテンツ「着地型体験ツアー」をサステナブルの視点も踏まえて充実させる。2018年度から行っている岐阜ならではの観光資源を活用した体験コンテンツに、2020年度は、世界農業遺産「長良川の鮎」や日本三名泉のひとつ「下呂温泉」など継承文化と自然遺産にまつわる新しい10本を加えた。3月からインバウンド向けウェブサイトなどで販売を開始した。
2つ目に、外国語観光ガイドの造成にも注力し、一般的な観光案内から一歩進めた「サステナブルな県の魅力を伝える語り部」を増やしていく。3年前から実施してきた研修では、コト・モノの歴史など、掘り下げて情報を伝えるガイドを育成するコースを約270名が受講した。2020年度はSDGsの理念を基礎に、県の観光資源を語るための研修を実施している。ここから育った「着地型体験ツアー」ガイドはウェブサイトに個別の紹介ページが設けられ、直接予約が可能となる。
3つ目に、教育旅行の誘致を図るため、サステナブルな視点で岐阜県の観光資源を学習する冊子を制作した。国内外からの修学旅行やアフターコロナ期における海外からの教育目的の旅行も視野に入れ、英語でも表記されている。県のウェブサイトからダウンロードも可能だ。
最後に、持続可能な観光地経営のレベル向上として、観光庁の「日本版持続可能な観光ガイドライン」や世界持続可能観光協議会(GSTC)の基準を参考に、岐阜県版の指標も作成していく。世界的なサステナブル・ツーリズムの旅行先としての認知を得るため、観光庁の「JSTS-Dモデル事業」にエントリーし、国際的評価や認証取得を目指していく。
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